今日は全校クリスマスお祝いの集いがありました。

 

コロナ事情でいつものように全員が講堂に集まることはできませんでしたが、とってもすばらしいノートルダムクリスマス会だったと思います。いつもと全然ちがうやり方でしたのに各学年から代表に選ばれた人たちが真剣に取り組みましたのであんなに静かな祈りの雰囲気が生まれたのでしょう。タブローに出演した人たちの劇はイエス・キリストさまのお生まれになった日のできごとでした。教室で映像を見ながら、一緒に歌ったり、共同祈願を唱えたりしました。タブローを通して私達みんなは救い主イエス・キリストさまの馬小屋に導かれました。

静かな、静かな夜でした。
ここで聖書(ルカ2:1~14)に書かれているところを紹介します。

そのころ、皇帝アウグストゥスから全領土の住民に、登録をせよとの勅令が出た。これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である。人々は皆、登録するためにおのおの自分の町へ旅立った。ヨセフもダビデの家に属し、その血筋であったので、ガリラヤの町ナザレから、ユダヤのベツレヘムというダビデの町へ上って行った。身ごもっていた、いいなずけのマリアと一緒に登録するためである。ところが、彼らがベツレヘムにいるうちに、マリアは月が満ちて、初めての子を産み、布にくるんで飼い葉桶に寝かせた。宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。

その地方で羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた。すると、主の天使が近づき、主の栄光が周りを照らしたので、彼らは非常に恐れた。天使は言った。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそメシアである。あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである。」すると、突然、この天使に天の大軍が加わり、神を賛美して言った。

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ。」

ヨゼフさまは身重のマリアさまを連れての旅でしたから、どの宿屋にも泊めてもらえないことを、とてもつらく思われたに違いありません。だって、聖書には、ヨゼフさまはダヴィド家の血筋だったと書いてあります。それにもかかわらず、どの宿屋からも断られてしまいます。しかも一緒に歩いておられるマリアさまのお腹の子どもは、救い主イエス・キリストさまなのです。それなのに、
「宿屋には、泊まるところがなかった」
と書かれているのです。もし、ベトレヘムの町の人々が、ヨゼフさまの横にいる女の人は、実は神の母マリアさまなのだということがわかっていたら、“どうぞ、どうぞ、うちの宿屋に来て泊まってください。一番よい部屋をご用意します。”と声をかけて逆にお願いしたのではないでしょうか。
私たちも日常生活を振り返りますと、よく似たことがあります。
自分に何かを頼むために、または助けを求めるために近づいてくる人を無視したり、不親切だったりしたことはなかったでしょうか。
相手の身分や家柄、また役職など表面的なことで判断したり、決めつけたりしていないでしょうか。本当は近づいてくる人たちの中にイエスさまがいらっしゃるかも知れないと思うと、誰にでも自分の可能な限りの善意を示すでしょうね。

救い主イエス・キリストさまは近づいてくるすべての人たちを心にとめられるのです。

“馬小屋でもよろしければどうぞ使ってください”と声をかけた人がありましたので、ヨゼフさまもマリアさまもどんなに助かったことでしょう。馬やにわとりたちがお二人に寄り添ったのですね。しあわせな家畜たち! きっとニャンコもワンチャンもいたかもしれません。

教皇フランシスコ様は仰いました。“地球上の命あるすべてのものを尊びなさいと。

イエスさまが馬小屋の中で、馬や牛などの動物たちに囲まれて、マリアさまからお生まれになったということは、イエス・キリストさまはそのご誕生を通して模範を示されたのかもしれません。

もう一つ考えさせられることがあります。
救い主イエス・キリストさまを最初に拝みに来たのは、野宿しながら、夜通し羊の番をしていた貧しい羊飼いたちでした。 その夜、突然、まぶしい光の中に天使たちが現れ、羊飼いたちに告げます。
“飼い葉おけの中に眠っている赤ちゃんこそ、救い主です。
待ちに待った神様の御ひとりごが来られたのです。
この方こそメシアです。”と。
イエスさまを最初に礼拝したのは羊飼いだった、ということも特別のメッセージがあると思います。
もちろん東の国から3人の王様が宝物を持ってやってきますが、一番最初は羊飼いたちだったのです。
クリスマスカードで見る限り、羊も羊飼いも素敵に可愛いく美しいです。けれども夜通し、眠らずに、野犬や狼の群れから羊を守るのは命がけの仕事です。だれからもほめられることもなく、認められることもない、どちらかと言えば、嫌われる仕事です。きたない汚れた羊たちは見ていなければどこにでも行ってしまいます。一匹でも見失ってはならないのです。
このやっかいな羊の恩恵にあずかることができるのは一部の金持ちたちだけです。羊の毛と肉です。実は私たちの衣類のいいものはみな羊の毛ではないのでしょうか。
一度洋服を着る前に、羊毛100%と書いていないかどうか確かめてください。そしてクリスマスの最初のお招きを受けた羊飼いと一緒に、ほんとうのクリスマスを祝いましょう。
待降節中の実行をプレゼントとしてささげましょう。

皆さんの上に、そして世界中の人々に、特にコロナに感染して苦しんでいる方々、また、コロナで亡くなったた方々やそのために悲しんでいる多くの方々の上に、そして病者のために献身的にご奉仕くださっている医療従事者の方々の上に神様の恵みがありますように祈りましょう。

クリスマスの平和と喜びがありますように。
メリークリスマス

シスターベアトリス田中範子