熱帯夜、猛暑日からはようやく解放され、秋の気配を感じるようになりましたが、今夏は熱中症に加え、コロナにも心を配らなければならず、気の抜けない日々が続きました。
 そんな中、新年度がスタートしてから何となく冴えない表情で気になっていた子が、この夏休み明け、横柄な言動を注意しなければならない場面が度々あり、成長に伴う反抗期なのか、他に要因があるのか、ASC職員で心配していました。
 ある日、「この頃元気がなさそうで、先生たちみんな心配しているんだけど、何かいやなことがある?」と尋ねました。すると一思案の後、「コロナでASCのスイカ割りができひんかったのがいややった。」という答えが帰ってきました。ここ数年の夏休みASCの恒例イベントであるスイカ割りを楽しみにしてくれていることが嬉しく愛おしい反面、今年は実施できなかった申し訳なさに複雑な思いでした。
 「それとサッカーがずっとないのがめっちゃいや!つまんない!!」と続きました。
 子ども達は、大好きなこと・楽しみにしていたことができずに、小さな身体で一生懸命理不尽なことを受け止め、耐え、消化しようとていることを改めて感じました。
 しかし、この後、この子の表情が柔らかく、明るくなったように感じています。思いを吐き出すことで少し気持ちが軽くなってくれたのかと思います。
 学校生活も家庭生活もまだまだ我慢を強いられることが多い中、学校と家庭の中間にあるASCが子ども達にとって、素を出し、ほっとできる場でありたいという思いを新たにした小さな出来事でした。
 10月からようやくアフタースクールアクティビティもスタートします。子ども達の溌溂とした姿を見ることのできる機会がまたひとつ増えることを大変うれしく思います。

ASC 永井 典子