本日,6年間の思い出を胸に62期124名の子どもたちが巣立っていきました。
 感染防止に神経を使いながらの日々を過ごしていますが,そんな中,第62回卒業式を挙行できたことを心からうれしく思っています。
 特に,この1年の新型コロナウイルスの感染拡大は,私たちの日々の生活に大きな影響を与えてきました。自分が感染しないように,また他の人に感染させないように気をつけ,人との接触を極力減らすことなどを求められました。我慢したり制限されたりすることが多く,子どもたちは心が満たされないことも度々あったことと思います。できなくなって初めて,今まであたりまえであったことが,実は,あたりまえではなかったことを痛感しました。また,スポーツフェスティバル,ディスカバリー,学院祭バザーなど楽しみにしていた行事が中止になり,残念な思いもたくさんしてきました。
 しかし,6年間を振り返れば,多くの先生や友達との出会いがあり,その中で共に高め合うことができました。毎日祈ることで,人への思いやり,やさしさを身につけました。日々の授業はもちろん,クラブ活動や委員会活動,山の家学習,遠泳合宿など,学校の行事や活動を通して,多くのことを学び,たくさんの仲間と切磋琢磨しながら,家族の愛情に包まれて6年間でたくましく成長しました。
 「神は乗り越えられない試練を与えない」とよく言われます。
 この言葉は,コリントの信徒へ第1の手紙の「神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず,試練と共に,それに耐えられるよう,逃れる道をも備えていてくださいます。」に由来する言葉です。
 これからの長い人生の中で,試練や苦難に遭遇したり,思いがけない病気や災害に襲われたりすることがあるかもしれません。さきほどの聖書のことばは,人生の試練や苦難の中でも,あきらめないで常に希望を持つことを教えてくれています。でも,苦しみの渦中にある時は,耐えられないと感じるかもしれません。
 しかし,祈ることを知っています。そんなときには静かに心を落ち着け,神様に祈りましょう。そして,試練や苦難を乗り越えてあなたにしか歩めない人生を歩み続けてくれることを願っています。
 卒業生の皆さん,さあ,笑顔でそれぞれの道に進んでください。
 卒業おめでとう!

校長 原山 稔郎