ノートルダム学院小学校では,毎月1日をネパールデーと決めて,ノートルダムネパール校のためにお祈りをしていますが,それには理由があります。2月1日,朝のテレビ放送で,次のような話をしました。
 ノートルダムの創立者マザーテレジアゲルハルディンガーの遺志を受け,今から約70年前,戦後まもない日本にアメリカセントルイスから4人のシスターが派遣されました。そして,京都にノートルダムの中高や小学校,大学を創立しました。
 それと同じように,1983年7月,今度は日本からネパールへ4人のシスターが派遣され,バンディプールという山の中にある小さな貧しい村に,学校をつくりました。2年後の1985年5月1日,幼稚園から小学校5年までの初等教育を目指すノートルダム校が開校され、55名の幼稚園児が入園しました。毎月1日を,ネパールデーと決めたのは,ネパール校の開校日が5月1日だったからです。
 ネパール校ができたのは,私がノートルダムに勤めた前年でした。その頃は,小学校から数名の先生方が交代でネパールに行き,2・3か月滞在して,ネパール校の児童に教えたこともありました。子守の仕事をしながら赤ちゃんを連れて学校に来ていた子や,毎日家から片道2時間もかけて山の中を歩いて通っていた子もいて,ネパールの子どもたちは,どの子も熱心に勉強をしていたと,ネパールに行った先生方から話を聞きました。また,ネパール校の初めての運動会では,珍しいので村中の人が見に来たという話が伝わっています。
 今では立派な校舎が建っていますが,開校当初,校舎を建てる資金が無く,民家を借りて授業をしていました。教科書や必要な学用品などは,当時の本校の在校生保護者や卒業生からの寄付で買うことができました。また,当時の児童会では,使っていない文房具を全校児童から集め,ノートや鉛筆,消しゴム,クレパスなどを,本や体操服,制服などと一緒にネパール校に送りました。
 現在は,例年,4年生がネパール校の子どもたちと英語で文通をしていますが,姉妹校同士の訪問など,もっと交流の場が広がり,お互いのことを知る機会を作ることができればと思っています。

校長 原山 稔郎