子どもの日と聞くと,端午の節句と呼ばれる5月5日を思い浮かべる方が多いのではないかと思いますが,11月20日は「世界子どもの日」です。1954年の国連総会で,世界の子どもたちの相互理解と福祉の向上を目的として制定された国際デー(国際機関によって定められた記念日)です。
 先日,国連は世界人口が80億人に達したことを発表しました。そのうち約30%は18歳未満の子どもです。世界のすべての子どもの人権を保障する「子どもの権利条約」という国際条約が定められていますが,戦争や紛争,天災などをはじめ,子ども達に不平等な条件や地域による格差がますます拡大し,基本的な権利である生きる権利,育つ権利,守られる権利,参加する権利が,脅かされている現状があります。
 日本でも幼い命が犠牲となる事件や事故が相次ぎ,子どもの権利条約が守られていると胸を張って言える状況にはありません。
 すべての大人が子どもの権利を知り,その実現のために取り組むと同時に,子どもたち自身も自分たちの権利について学ぶことも必要だと感じています。
 「育児は育自」と言われます。子どもを育てることによって,大人は多くを学びます。いくつになっても,子どもと共に成長し続ける大人でありたいと思います。

校長 原山 稔郎