授業紹介 4月号(実践編) ― 算数科 【対話をして新しい考え方に気づこう】
対話をして新しい考え方に気づこう!!
算数科 担当 |
私の算数の授業では,子どもと先生,子どもと子どもが対話することを目指しています。それは,対話し合うことで,1人だけでは考えつかないような,数のきまりや規則,算数的な考え方を知ることができるからです。
そのために最も必要なことは,子どもの算数的な「
つぶやき」をクラスに伝えてあげることだと考えています。1人だけで自力解決させるのではなく,クラスの中で話し合う時間を多くとることを意識しているのです。 |
「小数のかけ算にかくされた秘密」
数の感覚を豊かにするためには,
数にかくされたきまりを見つける経験も大切です。
今回はそんな授業をしてみました。
【数字カードで筆算をつくろう】
『小数のかけ算をマスターした直太朗は, 数字カードを使って筆算をつくって遊んでいます。』
その話を聞いた子ども達は,
「あっ!みつかった。」
すると,子ども達は思い思いに, 「結構,簡単だな。」 「あ~4がないのか。」 と,ノートに計算をしながら, 自分の考えていることをつぶやき始めます。
でも,対話をするためには, 与えられた条件を共有し合うことも大切です。 「数字カードは,1回ずつしか使えませんか?」 「全部の数字カードを使わないといけませんか?」
「1けた同士の筆算でも良いですか?」
子ども達からのその質問を確認し合い, |
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【自分の考えを発表しよう】
自分で式をみつけると言いたくて仕方ありません。
「26×3=78です。」 『他にありますか?』
「8×7=56です。」
「めっちゃ簡単や。」
「……。」 「もうないのかな~?」 「あっ!あった。32×8=256です。」
「お~。……。」 すると,それを聞いたある子が 「えっ?2を2回つかっているからだめだよ。」
『本当ですね。2が同じでした。』 |
【整数×小数=整数にするには…?】 さぁ,この子ども達の勢いに乗って,次の問題です。 『では,次は,5年生のレベルまでレベルアップしましょう。』 『整数に小数をかけて,整数にしましょう。』
すると,すかさず, 「そんなの。5しかないやん。」(このつぶやきは嬉しいですね。)
『今,5しかないと,言った子がいますが, 一瞬,考える時間が過ぎ,ちらほら手が挙がりました。 「5に,偶数をかけると,一の位が0になるからだと思います。」
もっと,子どもの理解を深めるためにすかさず聞き返します。 『えっ?でも,何で?』 一瞬の沈黙が・・・(私も,子ども達と困った表情で待ちます。) すると,「5×2=10になって,10の0が一の位になるからです。」
「あっ~。」と,子ども達の顔が笑顔に変わります。 さて,あとは,計算するだけです。
(5と偶数の組み合わせになるようにすれば良いんだ。)
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【子どもの力って素晴らしい】 しばらく,計算する時間を待った後, 発表をしていきます。 「3.2×5=16です。」 「7.2×5=36です。」 「3.6×5=18です。」 「28×3.5=98です。」 : しばらく発表の時間が過ぎると,こんな意見が出ました。 「2.5×4=10です。」 「えっ?」(4というカードはないんですね。) 「だめだ。4がなかった。あ~小数2つにならないか。」
『今の○○君の気持ち分かる?』 「小数×小数で整数にならないか考えているんだと思います。」 その子は,嬉しそうにうなずいています。 そこで,次は小数×小数を考えることにしました。 |
【小数×小数=整数は…?】 授業終了のチャイムも近づいてきましたが,考えることにしました。 『でも,すでに,1つの答えが,黒板に書いてありますね。』 「6.8×25です。」
『そうですね。答えが170だから, 『でも,何でですか?』
子ども達が,少し考えていると, 「2.5シリーズがあるんだな。」と, つぶやきが聞こえました。 すかさず,その子に説明してもらいました。
その説明を真剣に見つめながら聞いています。 「2.5と4をかけると,100になるから…。 2.5と4の倍数をかければ良くて。…」 「キーン。コーン。カーーン。」 というところで,チャイムが鳴ってしまいました。 続きは次回の授業でまとめることになりました。 |
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《NDトピックス》
『 今年度の本校の研究目標 』
「感じる心・考える力を育む授業」~対話を楽しみ,対話力を育む~
これは,本校の今年度の研究目標です。
昨年度に続き「対話力」の育成を目標として,
授業研究に取り組んでいきます。
対話力の育成は,現在の社会を歩んでいく子ども達に,
必要不可欠な力となると考えています。
さて,今年度は,昨年度の研究をさらに深めるために,
いくつかの教科で研究授業を行う予定です。
神様からお預かりしている子ども達の力を
より一層高めるために歩んでいきたいと思います。
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