授業紹介 10月号(実践編) ― 家庭科「手作りの価値に気づき、その大切さを考える授業」
家庭科部 稲光千賀子 めあて 「卵の加熱実験を通して、調理の基礎知識を増やそう。」 「身近なソースを手作りし、その価値を考えよう。」 5年生では、前期に5回ほど家庭科 調理実習をしました。その 実習の一部として、下の内容をご紹介します。 ・ 卵料理を作ろう(カスタードプリンとプレーンオムレツ・卵の加熱実験) ・ 手作りマヨネーズで温野菜のサラダを食べよう
今回は、手作りマヨネーズで温野菜をおいしくいただいた時の様子を主にお知らせします。
|
||||||||||||
〈 手作りマヨネーズで 温野菜を食べよう 〉
食品は、調理することで食べやすく消化しやすくなり、味も良くなります。今回の実習では、お湯を沸かしたり包丁を使ったりする調理基礎の完全マスターと、野菜や卵がゆで加減によってどのように違うか、どのような様子で固まっていくのかなどを体験しました。たった数分間で大きく変わる卵の特質や変化に驚いた様子でした。
|
||||||||||||
|
野菜には、水からゆでるものと沸騰したお湯でゆでるものがある事、どのような野菜がどのゆで方をするかという事、生育環境による見分け方などを学びました。ゆでるとやわらかくなり、色が変化し、臭みやあくが取れたことも実習を通じて得た学びの一つでした。「野菜にあったゆで方をマスターしよう。」とはりきっていた様子が印象的でした。 調理実習(野菜をゆでる調理をする内容)では下の内容を特に気をつけて注目するよう指導しました。 ① かさ・色・かたさ・味など、ゆでるとどのように変化するか。 ② 水からゆでるのと、沸騰した湯でゆでるのとでは、どう違うか。
家庭では口にすることのないゆで具合の野菜を口にするという体験を通じて頭にも心にも残った様子の子どもたちでした。 |
|||||||||||
〈 好みの味に仕上げる喜び 〉
葉物は水からゆでると、ゆで時間が長くなって栄養素が流失したり、色や歯触りが悪くなることやゆで具合で食感・味が変化することを体験した子どもたちは、自分や家族の好みにあうゆで加減を探ろうとし始めました。オリジナルレシピ作りです。野菜のかさを減らすことにより多くの量を食べることが出来るようになると気がついた子どももいました。また、
「卵は
時間によって固まり方が異なるので、自分や家族の好みに合わせて時間を調節できるようになりたい。」という感想も印象的でした。
|
|
|||||||||||
〈 マヨネーズ基本レシピ 〉
マヨネーズの作り方を紹介しましょう。 (材料) 卵黄・・・・・・・1個 洋からし・・・・・小さじ半分 塩・・・・・・・・小さじ半分 こしょう・・・・・少々 サラダ油・・・・・小さじ半分 酢・・・・・・・・大さじ1 *調味料の分量は好みに合わせ変えました。
(作り方) ① 水気をよく拭き取ったボールに、黄身・塩・こしょう・からしを入れてよく混ぜます。 ② サラダ油を少しずつ入れながら泡立て器でよく混ぜ合わせます。 ③ 酢を数滴ずつ入れながら混ぜ続けます。 ④ クリーム状になってきたら残りのお酢を入れてさらによくかき混ぜます。
|
|
|||||||||||
〈 発展学習・オリジナルソース 〉 アレンジソースとして、下記のソースを子どもたちに紹介しました。
オーロラマヨネーズソース・・・・・トマトケチャップを入れます。 タルタルソース・・・・・・・・・・・タマネギのみじん切りやゆで卵を入れます。 クリームマヨネーズソース・・・・・生クリームを入れます。 ハニーマヨネーズソース・・・・・・蜂蜜を入れます。 ヨーグルトマヨネーズソース・・・・ヨーグルトを入れます。 サウザントソース・・・・・・・・・トマトケチャップやピクルスのみじん切りを入れます。 |
||||||||||||
〈 まとめ 〉 私が大切にしているNDスピリットの一つである「尊ぶ」。これは、人と自分、物と自然の全てに敬意をもって向き合うことを示しています。私たちは教材研究をするときに、この精神を家庭科での学習を通じて達成する方向を探ります。今回の学習では、 自分たちの体を大切に考え、食を選択すること、栄養素の働きを理解し、自分たちの体に必要な食品を賢く選ぶこと、それによって健康な体をつくり貧しい人のために貢献できる何かを探すことが、「尊ぶ」の具体的な達成目標となりました。これらの目標を実現することは、富める日本に住む私たちの義務とも考えます。「良い食は良い人柄を作る」とも言われます。それらの思いを大切にして、今後も教材研究を進めて参ります。よりよい食生活を主体的に作っていく姿勢の育成から、「よりよく生きる」 という態度をはぐくむことを願ってやみません。
|
||||||||||||
|