楽しく体育に参加しよう!  ~ハードル走を通して~

 

 

昨年、日本私立小学校連合会全国教員夏季研修会で、「ハードル技術においての抜き足の技術指導の提案」という題目で発表しました。 (昨年度の発表)

 昨年度の目的は、

 小学生のハードル走において、中学年の、「小型ハードルを調子よく走り越えること」および高学年の、「ハードルをリズミカルに走り越えること」を「ハードルの抜き足の技術を簡易化する工夫によって目標達成すること」です。

 

昨年度の目的を継続しながら、子どもたちがより積極的に授業に取り組める工夫を目指して、授業に取り組んでいます。

 

 

昨年度は、ハードル走に慣れたと答えた児童が 85 %で、抜き足が上手にできたが 84 %でした。これは、ハードル走が楽しかったと答えた児童とほとんど変わらない数字でした。

15 %の児童が、特に楽しいと思わなかった、楽しくなかったと感じていました。 15 %というと、40人学級では、6名ほどにあたります。そこで今年度は、苦手な児童が、どうすれば楽しくハードル走ができるか、という思いでハードル走に取り組んでいます。

 

ハードルが苦手、楽しくないと感じる児童は、以下の理由からでした。

「ハードルを越えるのが怖い。」

「ハードルが高く感じる」

「ぶつかったらいたそう。」

という意見でした。

そこで、今年度は、そういったハードルを苦手とする児童にもハードル(障害物)を楽しく越えられるように工夫しました。

まずは、ハードル走の練習をダンボールから始めました。 ダンボールにすることで、「怖い、」「足をぶつけたら痛そう、」という感情を取り除こうとしました。

また、練習の途中で、小さなコーンを置いたり、玉入れの玉を置くなどして、ダンボールを「デコレーション」しました。 そうすることで、もう少し高い高さにも挑戦したい、落とさないように飛び越えようという気持ちを生み、継続して練習に集中できる環境が出来ました。 そして、ダンボール越えに自信を持った児童は、ハードルを置くと、積極的にハードルを越えたがり、単調になりがちな練習に幅が出来ました。

最後に、障害物は怖いですかと聞いたところ、「全然怖くない、」「楽しい、」「もっと高くしてほしい」という声があがりました。うれしいことに、今年度は、障害物が怖いという児童はいませんでした。

 

ところで、ダンボールを斜めにカットをして、更にダンボールを越えやすくする方法もあります。しかし、今回はそのままダンボールを「箱」の形で置いています。それは、箱のままだと、奥行きがあるためしっかり踏み切る癖がつくからです。したがって、勢いよく障害物を越えられる技術が身につくことになります。

 ただ、今回のダンボールの置き方では、ダンボールの幅が狭いため、振り上げ足がダンボールからはみ出してしまうことがありました。実際のハードルにした場合には、ハードルに引っかかってしまうであろうフォームの児童もいました。高学年では箱を2つ横にくっつけるや、幅を広くするなどの工夫が考えられます。また、振り上げ足をまっすぐにするために、障害物となるダンボールのサイドに、ダンボールの壁を作る工夫が考えられます。

 今後も体育授業が、運動が得意な児童だけが楽しむのではなく、運動が不得意な児童も楽しんでほしいと願います。そのために、いかに楽しく運動が出来るかを今後も考えていきたいと思います。

 

《NDトピックス》

『未来につながる学び方や考え方・豊かな心・体を育む授業を目ざして』

~グループ活動を通じて~

 ノートルダム学院小学校では、4つのスポーツフェスティバルが行われます。春に運動会、秋に球技大会、マラソン大会、冬に大縄大会が行われます。年間を通して常にクラスの仲間と共にそれぞれの目標に向かって体育の授業に取り組みます。スポーツを通じて児童同士が対話を行い、心と体の育成に取り組んでいきます。

 

体育部 中藪 大意樹