今年度の英語科の目標は“Express your thoughts in English –using target words / languages”(英語を使って自分の考えを発表しよう)です。1年生から6年生まで、それぞれの単元で学習する表現を使って自分の意見を発表する場をできるだけ多く作る授業を目指しています。

 今回は、3年生と5年生の学習を紹介します。

〈3年生-"Which is taller?"〉

3 年生は、昨年度に引き続き、1クラスを20人前後のグループに分け、2つの教室を使って行う少人数制の授業に取り組んでいます。昨年度から少人数制にしたことで、活発に発言する子どもが増え、それまでほとんど発言しなかった子どもも積極的に英語活動に参加するようになりました。今年度は、そのように成長した子どもたちがさらに意欲的に活動できるよう工夫を凝らしています。

 現在学習している単元は、動物を使って“taller, longer, shorter, bigger, smaller, older, younger, faster, slower”といった比較級を扱う内容です。

 英語の授業において大切にしていることは、単元の途中や1回の授業の中で、子どもたちが英語を話す上で自信を持って発話できるように、同じ表現の練習でも、いくつかの活動に分けて学習を進めます。全体→グループ→ペア(または個人)のように、スモールステップを踏んで発話練習をします。この単元では、①ワークシートでの活動、②フラッシュカードを使った活動、③動物カードを使った活動、の3つの段階を踏んだ活動に分けて学習を進めています。

 

 ワークシートには、動物の体重や寿命、身長などの特徴が書かれています。子どもたちは、1つの動物の特徴と、比べる対象の動物の特徴を見て、例えば、“A tiger is faster.” “A tiger is slower.”のどちらか正しい方を選ばなければなりません。

 

 今度は、黒板に貼られた動物の特徴と、教師がフリップするフラッシュカードの動物を見て、“A tortoise is longer.” “A kangaroo is taller.”などとすばやく言い当てるゲームを通して表現を練習します。子どもたちは、ゲームのルールをすぐに理解した様子で、グループで競争したり助け合ったりして楽しく活動することができました。

 

 次の授業では、子どもたちがペアを組み、動物カードを使ったカードゲームを通して表現を練習します。子どもたちが楽しみながら自然に英語を身につけていくことができるよう、さらに工夫を重ねていきたいと思っています。

 

 

 

〈5年生-"Me Map"〉

 

 高学年になると、英語の活動では、自分の意見、思いを率直に相手に伝える自己表現が重要となってきます。この活動を行うために、5年生は、4月から“When’s your birthday?” “How do you go to school?” “What subjects do you like?” “What treats do you like?” “How many brothers and sisters do you have?” などの質問、また、自分自身についての答えが自由にできるように練習してきました。スピーキングテストでは、二人ずつでペアになり、ほとんどの生徒がワークシートを見ずに、スムーズに相手に質問をし、答えることができるようになりました。

 

この単元の総仕上げとして、“Me Map”を作るという課題を出しました。子どもたちが4月の初めに書いて各教室の廊下などに掲示する自己紹介カードの英語版プロフィールです。「そのプロフィールを見ただけで、あ、これ、誰々のだ・・・、とわかるような自分らしさが伝わる工夫を」という指導のもと、どの子どもたちも各々の項目について英文で自己紹介し、自分の似顔絵や好きな食べ物、スポーツの絵を描いたり、きれいに色を塗ったりして楽しく取り組んでいました。

 

ちなみに 6 年生では同じ自己紹介の表現を練習したあと、友だち紹介カードを作る“My friend Map”を作りました。6年生も自分ではなく、友だちを紹介するという、少し趣向を変えた取り組みが意外で楽しかった様子でした。

 

 現在5年生では、世界中が盛り上がっているサッカーのワールドカップにちなんで、クラスを4人ずつのグループに分け、ワールドカップの参加国32カ国に8カ国を加えて、それぞれ子どもたちが1つ国を選び、その国がどこの大陸にあるのか、どんな有名人がいるのか、美味しい食べ物はあるのか、行ってみたい場所は、等々その国について調べる“World Cup Country Project”に取り組んでいます。

 

 グループ活動は初めての取り組みですが、子どもたちはお互いに意見を交換し、アイデアを出し合って意欲的に取り組んでいます。この単元のまとめでは、それぞれが調べた国についてグループ毎にクイズ形式で発表します。クイズに答える子どもたちは、それがどこの国かを当てて、正解なら得点が入り、優勝チームを決めていきます。

 

 この活動を通して、「英語を使って相手にこれを伝えたい」「これは英語で何て言うんだろう」という、自分から表現したい気持ちを自然な形で引き出します。それぞれの国についてどんな発見があるのか、これから楽しみです。

 

 

《NDトピックス》

「デジタルコンテンツ」



本校の英語教育の特色のひとつが「デジタルコンテンツ」の活用です。これにはいくつかの特長があります。1つは、オリジナリティです。カリキュラムに沿って、英語科のスタッフが作成しています。教材はビジュアルな内容です。パワーポイントのアニメーション機能を使い、動きがあって、学習者の記憶を刺激して定着へと導くというねらいを持つデジタルコンテンツです。来年度からの小学校への英語学習の導入で、このデジタルコンテンツは一気に花形教材になると予想されますが、本校ではすでに何年もの実践を重ね、これを継続発展させていくつもりです。