立春を過ぎ,暦の上では春ですが,まだまだ寒い日が続いています。今年は,雪の降る日も多く,そのせいか学校の中庭の梅の花のつぼみも堅く,梅だよりはまだ先のようです。
 最近,学校の外部の方からお電話とお葉書をいただきました。放課後にかかってくるお電話は,児童の下校時の態度でご迷惑をおかけし,お叱りをいただくこともあるのですが,今回はそうではありませんでした。
 お一人目の方からは,地下鉄の中で席を譲ってくれた男子児童に対する感謝のお葉書でした。この方は50年以上も前の本校の卒業生だそうで,後輩の優しさに触れ,思わずペンを取ったと書かれていました。お二人目の方からは,自転車乗車中に転倒した際,「大丈夫ですか」と声をかけてくれた上に,散乱した荷物を拾ってくれた男子児童に対する感謝のお電話でした。そして,三人目の方は妊婦さんで,バスの中で席を譲ってくれた女子児童に対する感謝のお電話でした。連絡してくださった方々は,とても嬉しかったというお気持ちを伝えてくださいました。
 このような行動は,当たり前のようですが,なかなかできることではありません。この3人の児童に共通していることは,私たちの学校が一番大切にしている「思いやり」を,行動をもって示したということだと思います。ほめてもらうためにした行動ではないでしょうが,こんな形でほめてもらえて,児童も嬉しかったと思います。きっと誰も見ていないところで,思いやりの行動をしている児童がたくさんいるのでしょう。誰にほめられなくても,お礼を言われなくても,神様が見てくださっています。
 お忙しい中,わざわざ学校にお電話やお葉書をくださいましたお三人の方に,心より感謝申し上げます。寒い日々が続く中で,私の心もホッと温まりました。

校長 原山 稔郎