早いもので前期前半が終わり,明日から子どもたちが楽しみにしている夏休みを迎えます。
 振り返りますと,今年度も新型コロナウイルス感染防止対策として緊急事態宣言,まん延防止措置が発出され,学校生活や行事にも制限がかかったままでした。しかし,そんな中でも子どもたちは,変化と成長に欠くことのできない体験を積み,各自が大きく成長したと確信しています。
 さて,各家庭ではさまざまな夏休み中の計画が立てられていることと思います。宣言や措置が解除され,ワクチンの接種が拡大したとはいえ,まだまだコロナ下には変わりなく,感染防止対策をとり,無理なく,夏休みだからこそできる体験に挑戦してほしいと願っています。
 例えば,家庭で体験できることとして,植物の栽培はどうでしょう。花を育てたり野菜を栽培したりするためには,水分が切れないように水をやることや,肥料が必要なことに気づきます。植物は自分で水や栄養分を確保できないので,植物の生命を生かすためには栽培者の力が欠かせません。自分が世話をした植物に花が咲いた時や,実がなった時の感動は,慈しみの心の育成につながります。
 自分で体験することによって,「創意工夫」や「なぜ」「どうして」といった疑問が,知能を発達させると言われています。同じ場所を歩いても,人によって興味関心は違いますし,見ているものも人によって異なります。お子さんと保護者の方の見たものの違いや,気になったものを比べてみるのも,一つの体験と言えるのではないでしょうか。自動車に興味のある子は,同じ道を歩いても自動車の台数や色・型などしっかり覚えていますし,動物に興味がある子は,ご近所のあの家に何匹犬が飼われているとか,犬種や色がどうだとかまで覚えていたりします。
 子どもたちが休み中も充実した日々を送り,健康面と安全面に気をつけ,夏休みを事故なく楽しく過ごしてほしいと願っています。
 8月25日,一回り大きく成長した子どもたちの元気な笑顔がそろいますことを楽しみに待っています。

校長 原山 稔郎