本校では子ども達がさまざまな芸術にじかに触れ、鑑賞する機会を多くもうけるようにしています。
5月7日、劇団風の子北海道の皆さんをお迎えし、『十二の月の物語』という演劇を全校児童が鑑賞しました。

低学年・高学年に分かれ、三学年ずつ一緒にNDホールで演劇鑑賞をしました。
NDホールに入ると、想像とは違い、舞台は壇上にはなく、ホール中央にありました。劇団の方が子ども達を特別に設営したクラスごとの席に案内してくださいました。前方の子ども達は靴をぬいでござの上に座りました。

 

先生から説明を受け、どんなお話が始まるのかと低学年の部も高学年の部もわくわくした雰囲気で劇が始まるのを待ちました。

 

「むかし森だったところに立っている」と劇が始まりました。7人の俳優さんは楽器を使ったり、歌をうたったり、また役柄も人になったり動物になったりします。子ども達の想像力をかりてステージは森に変身しました。

 

森から必要な分だけを人間の食料としてもらい、命に感謝していただく ―― といったアイヌの考え方もこの劇の中に活かされていました。

 

マルシャーク作の「森は生きている」のもとになった民話からこの劇は創られたそうです。森のそばにお父さんと暮らすマルーシカは新しいお母さんとお姉さんを家に迎えました。
きのこを採りにいったり、ベリーをつんだり、水くみをしたり、たきぎをひろったり、マルーシカの暮らしは森のめぐみをもらうことで成り立っています。マルーシカは森の恵みに感謝しながら暮らしていました。

 
 
 
 

森での暮らしになじまない姉のオレーナは寒い中たきぎ拾いをして帰ってきた妹のマルーシカに、無理を承知でマツユキソウを採ってくるように言いました。

 
 

いつも森に親しんですごしてきたマルーシカは、寒い森の中で動物達や「十二の月」に出会い、助けられました。彼らの協力で、三月にしか咲かないはずのマツユキソウを手にすることができました。

 
   

森の中での不思議な話を聞いて、今度は姉のオレーナが寒い森の中へ出かけて行きますが・・・・・。

 
 

「森の中に人が作ったものは何もない」  「冬より先に春は来ない 春より先に夏は来ない」  「むかし森だったところに立っている」
いろいろなことを私達に投げかけて、劇は終わりました。

 
 

この劇を見た後、子ども達は考えたことを作文に書きました。

 

自然からいろいろな恵みをもらって生きている人間は地球の一員として謙虚に自然との関わりを考えなくてはなりません。
学年に応じて子ども達もいろいろな感想を持ちました。子どもも、そして大人も、さまざまなことを考えるきっかけをもらった芸術鑑賞会のひとときでした。