母校であるノートルダム学院小学校に英語講師として戻ってきた最初の年に、Team Teachingでペアを組むことになった先生が、当時セントルイスから研修に来て下さっていたシスターマーガレット(愛称ペギー)でした。
当時アメリカの小学校で学校長をしていた彼女の第一印象は「とっつきにくそうで怖そうな人」だったのですが、一緒に授業を組み立て、話しているうちにユーモアいっぱいで、マクドナルドのフレンチフライとダイエットコークが大好きな茶目っ気たっぷり、誰よりも子ども達の心が理解できる人だということがわかってきました。様々なアイデアでクラスを盛り上げ、彼女との授業は常に笑いの中に学びがありました。
ある日ペギーから、この学校にはたくさん帰国生がいて、彼らの英語力はネイティブ並みだ、でもこのままではどんどん英語力が落ちてしまう、何とかその力を維持する事はできないだろうか?と、相談を受けました。当時、私自身も帰国生の母親であり、異文化で育った子ども達が海外で身に付けた言語を残しつつ日本にうまく溶け込めるようサポートしたいと願っていたので、週2回、帰国生を集めて活動を始めました。最初は全学年通して10名足らずの少人数で、それぞれのレベルに合わせて本を読んだり、ワードサーチをしたり、ゲームをしたり、その時間だけは全て英語で行い、アメリカの小学校とほぼ同じ環境作りができました。これが本校のアドバンスイングリッシュの始まりです。
研修期間が修了し、ペギーが帰国する日が近付いてきました。たった一年間という短い期間でしたが、彼女が残していったアドバンスイングリッシュはその後人数も増え、英語劇や、様々な活動を行っていました。帰国後もペギーはアドバンスの子ども達にハロウィンキャンディやDVD、スティッカー等を送ってくれました。また、彼女の学校の生徒達と文通をしたり写真を交換したり、交流を深めたりすることもできました。
ペギーが残してくれたものはアドバンスイングリッシュだけではありません。
子ども達ひとりひとりを温かい目で見つめ、その子がいま何を必要としているかを見極め、そのために自分にできることは何かを考え、行動することの大切さを彼女は私に残していってくれました。

Thanks for everything.
We all miss you, Peggy.
Love, 
Miko

英語科 西 美都子