全校音楽会を一ヶ月後にひかえ、各学年の練習もいよいよ熱気を帯びてきました。

大舞台での発表に向けて、「授業時間が始まると、すぐにでも練習を始めたい」という気持ちは、子どもたちも指導者も変わりありません。しかしそのような中でも、音楽の時間のはじめには、目を閉じて黙想するひとときを設けるように努めています。このねらいは、個々の心身を落ち着かせることや、休み時間からの気持ちの切り替えを促すことなどにありますが、最大の目的は、クラス全体で静寂を作り出す集中力のトレーニングにあります。

「静けさを作る力」と言いますと、一見、いわゆる音楽的な活動と無縁のことであるようにも思えます。しかし、音楽が、その前後の静寂なくしては成り立たない、ということに目を向けますと、これもまた不可欠な音楽的能力のひとつではないでしょうか。

音楽が終わった後の幸せな静寂を目指して、ひとつずつ練習を重ねていく日々が続きます。

 

音楽科 波々伯部宏彦