冬休みがあけて一週間あまりが経ちました。久しぶりに音楽室へやってくる子どもたちは、身も心も一層大きくなったようです。特にその歌声は、体の成長にともなって、以前より落ち着いた色合いを帯びてきました。


そんな中、むしろ課題として浮き彫りとなったのが、楽譜の内容を理解する力、つまり読譜力の向上です。年度当初よりハンドサインを用いた階名唱に取り組んでいることから、大まかな音高感覚は培われつつありますが、異なる高さの音によるハーモニーづくりをいざ始めるとなると、正しい音高を維持するのが難しくなってしまいます。「自分が今、何の音を出していて、次にどう変化していくのか」ということを心得ていてこそ、次の一歩が確かなものになると言えるでしょう。


もちろん、楽譜さえ読めれば豊かな音楽活動が約束されている、というわけではありません。しかし、自分が初めて出逢う曲に向き合う時、それは大きな道標となります。自分の音楽の世界を切り拓く力としての読譜力、日々の授業で少しずつ養っていきたい力だと思います。

 

 

 

音楽科 波々伯部 宏彦