「先生ってどんな仕事しているの?」

子どもたちと話しているとよくこんな質問をされます。
「先生何時くらいに帰ってるの?」
「先生休み時間来なかったけど何してたんですか?」
と聞かれます。
やはり気になるんですね。先生が自分の見えないところで何をしているのか。

これまで、あまり仕事内容を子どもたちや保護者の方に伝える機会がありませんでしたが、今回先生の仕事の中身をお伝えすることによって、学校の中で何が起きているのかを知っていただくきっかけになると思います。
今回は、私たち教員の1日の様子
【学級担任編】をお伝えしたいと思います。

まずは私たちの仕事内容です。
大きく分けて3つあります。


①授業 45分 × 6時間
②学級指導 休み時間・給食時間・授業時間
③授業準備(直前・前日)
④その他の仕事【学校運営に関わる仕事】


 

①授業

担任の先生は朝学校にやってくると、教室で子どもたちを迎えます。
子どもたちに「おはよう!」と挨拶したり、声をかけたりしてみんなの体調を確認していきます。
朝の時間は子どもたちとコミュニケーションを取れる最高の時間です。校長先生もこの時間に正門に立ち、登校する子どもたちと挨拶を交わします。

いざ授業がスタートすれば、先生の1日のスタートです 。
授業は通常1日6時間。低学年は5時間の授業の日があります。
すべてが授業ではなく、空き時間があります。その時間は子どもたちの宿題を見たり、連絡ノートにお返事を書いたり、次の授業の用意を行ったりしています。
こどもたちは学校に来て45分×6時間座って授業を受けています。大人でも4時間半を座って講義を受けるのは最後まで集中が持ちません。
しかし、教員の仕事は、その集中を切らさないこと。そして

「勉強って楽しい」「もっと知りたい」

と感じさせ、子どもたちの力を伸ばすことが求められます。
 

こどもたちを集中させるために様々な工夫を取り入れています。
例えば、教科書から学ぶだけでなく実際に体験してみたり、ゲームやクイズ形式を取り入れて興味を引き出したり、
「もしも自分だったら?」
など問いを変えてみたり、発表やプレゼン形式で行ったりするなど、とにかく様々な方法で学習をすすめることがとても重要です。
この中でも、子どもたちが一番盛り上がり、さらにきらきらと表情が輝きだすのがPBL型授業です。

※PBL型の授業・・・・単元の大きなプロジェクトに向けて学習する授業(子どもたちが中心となって学びを進める方法)  
 これまでの授業形態・・・・1つの問いに対し答えや考えが1つ
 PBL型授業・・・・・・・・1つの問いに対し答えや考えが複数


例)6年生理科、火の燃え方の単元で「山の家で美味しい焼き芋を作ろう」という大きなプロジェクトを設定した。ものの燃え方を学び、火の付け方、芋の焼き方、芋の投入時間・場所など自分たちが中心となって調べた。通常学習で学んだものの燃えかた以外に様々な学びがあるプロジェクト。
【1つの問いに対してさまざまな答えや考え方があるため、多くの視点から物事を見る力や発想力がつく。また、他の人と違う意見を発表することで共感してもらえて、子どもたちが自分の意見を持つことが好きになる】

子どもたちのキラキラとした表情を見ながら、私たちは授業を行っています。
PBLについてはまた詳しくお伝えしたいと思います。

 

②学級指導

休み時間、朝の時間・NDタイム・モジュールタイム・給食・掃除の時にはクラスの様子を見てこどもたちが集中できる環境を作り、うまくみんなが活動できるように声をかけたり、時には盛り上げたりもしています。
学校は小さな社会生活の場なので、友達同士でとても楽しい体験・素晴らしい経験をすることもありますが、逆にトラブルになることもあります。もし何か嫌なことが起きてもその日に解決してスッキリした状態で帰ってもらうために話し合いを行うのも私たちの仕事です。みんなが気持ちよく過ごすためのルールやマナーも子どもたちに伝えています。

 

③授業準備

子どもたちが下校したら教室の片付けなどを行い、次の日の授業の準備を行います。教科にもよりますが、1教科平均1時間程度の教材研究を行なって、学年の先生や教科の先生と
「次の授業は~しようと思ってるんですけどどう思いますか?」
「~の方が盛り上がるんじゃない?」など相談しながら授業を準備しています。
(実験を行う際には予備実験といって、実際に授業でやる実験が失敗しないか同じ環境で行います。非常に時間がかかるものもあります。)

一番重視しているのは、子どもたちがどうしたら「楽しく学びを深めていくことができるか」です。

 

④その他の仕事

教員は授業を行うだけではなく、校務分掌という色々な係活動のようなものがあります。例えば漢字検定・数学検定・英語検定などの申し込みから実施・発送などの事務作業もあれば、体育関係(スポフェスやランフェスティバルなど)の内容や運営、次の入学者に向けての企画、入試問題の作成、各教科での取り組みなど様々な仕事があります。
他にも学年会という会議が週に1回あり、学年のイベントや学習の進捗状況、クラスの様子など今後の方針など話し合う会議があります。

いかがだったでしょうか?ざっくりとした内容でしたが、これが教員の一日です。


毎日子どもたちが楽しそうに学校に来てくれて、様々な友達と関わり合いながら成長していく様子を見ることを嬉しく感じています。 また、保護者の方からの「子どもたちが毎日楽しく学校にいっています」という言葉を聞くことが非常に励みになっています。
今後も学校のことについてどんどん発信していきたいと思います。

岩城賢三