「おはようございます!」
毎朝、元気よく教室に入ってくる1年生。
ただ、この日の第一声は違いました。
「え~!なにこれ!?」
教室に入ると机の上に一人一人にプレゼントが置いてあったのです。きれいな箱の中には、木や枝、葉っぱなどを使った工作が入っています。そして箱の横には小さなメッセージカードも…

「きのうはたのしかったね。これからもいっぱいあそぼう。よろしくね。」

1年生には、入学式の日から6年生に自分だけのパートナーができました。
まだ分からないことだらけの学校生活のことを、たくさん教えてくれたり、遊びに誘ってくれたりするお兄さんお姉さんがみんな大好きです。

プレゼント事件の前日は、1年生6年生合同での山の家学習でした。
山の家ではパートナーと一緒に山を探検したり、クイズに答えたり、お弁当を食べたり、とても楽しい1日を過ごしました。実はこの日、6年生は1年生が山の家から先に帰った後、自分で拾った材料をのこぎりで切ったり、ボンドで貼り付けたりして、パートナーのために工作を作ってくれていたのです。その工作を、1年生が帰ってからこっそり教室に置きに来てくれたのです。

「先生できたで~!!」
と、プレゼントを持って6年生が教室に入ってきてくれました。毎日のようにパートナーの様子を見に来てくれているので、もちろんその子の座席まで直行です。心の中で「さすがだな」と思いました。中にはまだ完成できていない子もいて、その場で続きの作業をする子もいました。

「先生、みゆちゃん何色が好きかなぁ?」
工作の仕上げに付けるリボンの色に悩んでいるようでした。


1年生と6年生のパートナー。
1年生にとって、自分だけの頼りになるお兄さんお姉さんができるのは初めてです。
そして6年生にとっても、こんなに幼いかわいいパートナーができるのは初めてです。
6年生だって、どう面倒を見たらいいのか分からないときがあります。
1年生だって我慢しなくてはいけないことがあります。ときにはうまくいかないこともあるかもしれません。
そしてお互いが学び合うのではないでしょうか。

でも1年生のみなさん、この工作を作っている間、パートナーはあなたのことを考え、一生懸命作ってくれたのですよ。
6年生のみなさん、すてきなプレゼントと、日頃の愛情を本当にありがとう。
ときにはちょっぴり生意気を言ったり、わがままを言ったりするかもしれませんが、これからも1年生のことをどうぞよろしくお願いします。

 

1年生担任 瀬戸 理恵