5月19日(土) かなしみに対する第三の道
5年生の国語科最初の教材は、新美南吉の作品でした。新美南吉はみなさんもよくご存じの童話作家、29歳で無名のまま帰天したため、残念ながら作品数は少ないものの素朴であたたかな作風が魅力的な童話作家です。この方の作品を手に取る度に私は「あなた方は世の光である。あなた方の光を人々の前に輝かしなさい
」(マタイによる福音第5章14-16節)を生きた作者だと感心します。
もうすぐ梅雨入りというこの時期になると、私は、新美南吉22歳の作品 『デンデンムシノカナシミ』が頭をよぎります。
それは、殻に悲しみがつまったデンデンムシの物語。自分ばかりではない悲しみの存在を知ることで、かなしみに向き合い、力強く歩みはじめる、思いやりや優しさがぎっしりとつまったお話です。
でも、聖母マリアの御名を校名にいただく私たちは、かなしみに対する第三の道を知っています。それは、「かなしみを主にゆだねる」という道です。
「あなたの重荷を主にゆだねよ、主はあなたを支えて下さる。主は従う者を支え、とこしえに動揺しないように計らって下さる。(詩編第55編23節)」
でも、重荷を預けるなんてなんだか申し訳ないように思います。せめて、まっすぐに顔をあげ、主にゆだねられるような自分でいるために、安らかに信頼すること、命じられた道をひたすら歩むこと、そして、善を求め、悪をさける事に励みます。お祈りによって力をいただき、子どもたちの前に立ち続けるために。
「私は世の終わりまでいつもあなたがたと共にいる」(マタイ28章20節)
そう示して下さった神様の愛に応えられますように・・・。
感謝の内に、明日も大切な子どもたちと笑顔で過ごせますように・・・。