学級開きから一週間。
「先生、これ見てー!」
クラスの生き物大好きくんが、朝一番に嬉しそうに虫かごを差し出します。
「え、何持ってきたん?」と、その虫かごをのぞくと、七色に光り輝く甲虫が。
「うわ、すごい。何これ?」と聞いてみると、『ニジイロクワガタ』という珍しいクワガタだそうです。


その子は休み時間になると、そのクワガタを肩に乗せて遊んだり、傾けた段ボールをよじ登らせたり。
「ねぇ、先生。」と呼ばれて振り向くと、いきなりそのクワガタを顔面にくっつけられそうになるのを必死でかわしながら、
最近は珍しいクワガタやカブトムシが増えてきたなぁと昔を思い返しました。

私がまだ小学生の頃、昆虫の王者と言えば「ノコギリクワガタ」や「カブトムシ」。
祇園祭の露店の先で、結構な価格で売られたいたのを覚えています。
しかし1999年の輸入規制緩和により、外国産のさまざまな種類の甲虫類が日本に入ってくるようになりました。
ある有名な昆虫ゲームでおなじみの「ヘラクレスオオカブト」や「コーカサスオオカブト」。
とんでもなく大きなカブトムシを小学生が家で飼っている、
なんていうことがにわかに信じられずに、よく子どもたちの話を聞いていました。

いつの時代も子どもたちの心をつかんで離さない昆虫たち。
今日もうちのクラスの「ニジイロクワガタ」くんは、みんなにかわいがってもらった後は、
おいしそうに昆虫ゼリーをなめています。

5年 担任 一柳 丞