東日本大震災で家も学校も津波にのまれ、入学式どころではない多くの被災者の方々に思いをはせながら、私達は祈りのうちに入学式を迎えました。ネパールでも、まもなく新年度が始まろうとしています。

 ノートルダムネパール姉妹校から無事帰国いたしました。児童会と父母の会からのご寄付と個人的にお預かりした方々からの献金も確かに校長シスターイヴァンジェラ今村に手渡ししてまいりました。皆様のご協力でノートルダム校で学べる子ども達は本当に幸せだと思いました。
 バンディプールノートルダム校には年少児から12年生まであり、熱心に勉強する子のみ入学が許可されます。落第制度があり、毎年何人もの子ども達は進級できていないようです。たまたま私が目撃した場面は、祖父が落第した孫を何とか進級させてくれと頼みに来ているところでした。校長のシスターは、宿題もせず授業中も不熱心な子どもを、学校として預かることができない、と厳しく諭しておられました。お金さえ出せば落第せずに進級させてくれる学校も村のふもとにあるとのことでした。あのおじいさんと坊やはどうなっているかなあ、と気になるこの頃です。
 私達が訪問した2日間は、12年生の登校日でした。春休み中でも国家試験にチャレンジする若者達は毎日熱心に学校に来て勉強していたのです。教室に置いてあった数学や物理の教科書をペラペラっと開いてみましたが、もちろん英語で、私にはとても理解の出来そうにない高度な内容でした。若者達の誇りに満ちた輝かしい顔を今もはっきり思い出すことが出来ます。彼らこそ未来のネパールを創る力強いエネルギーになる若者だと直感的に思いました。
 バンディプールノートルダム校は首都カトマンズの国立の学校よりも国家試験への合格率が高いことで有名です。遠くの村や町からも1時間以上歩いて山を登ってノートルダム校に来るのです。ノートを開き、本を読みながら歩いて学校に行く姿を見ながら、ネパールに学ぶことがたくさんあると実感しました。

 “教育は人を変える”

校長 シスターベアトリス田中