朝から私を探していたという女の子に、聖堂の前でばったり会いました。
私を探していた理由を聞くと、ネコが死んだことが言いたかったというのです。
「私が生まれる前から飼っていたの。17年も飼っていたの。」
と教えてくれました。
「そう・・・。大事なネコだったのね。」
と私が言うと大きくうなずき、
「お母さんが原山先生に言って、お祈りしてもらい、って言わはった。」
とその子は言いました。
早速聖堂に入り、ふたりで死んだネコのためにお祈りをしました。
お祈りの後、女の子は満足そうな顔で、聖堂を出て行きました。

家庭の中で、宗教の先生である私の名前が出て、お母さんが一緒にお祈りしてもらうようにと言われたことは、とても嬉しいことでした。

子どもたちには、嬉しい時も悲しい時も神様を思い出し、感謝の祈りをしたり、助けを求めたりできる人になってほしいと思っています。
そんな子どもたちに寄り添い、いつも一緒に祈ることのできる宗教の先生でありたいと、生まれて初めてネコのために祈りながら、そう思いました。


宗教専科  原山 裕子