8月31日、朝のテレビ放送で校長先生がこんなことをおっしゃっていました。

 「食事は、いのちをいただくということ。魚も、まだまだ泳いでいたいと思っているのを捕まえて、私たちがいただいているのです。

 じゃあ、かわいそうだから食べない!というのではなく、いただいたいのちを、感謝して大切にいただくということが、私たちにできることではないでしょうか。」

 

 29日から学校が始まり、30日からは給食スタート。3時間目ぐらいから、「おなかすいた~。」と言い始める子どもたちもいます。学校に来ると、夏休みよりはやっぱり体力も使うし、気もつかうし、たくさんのエネルギーを消耗したのでしょうね。給食は、子どもたちが待ち望む時間です。

 いのちをいただく・・・そう考えると、食べものを無駄にすることはできません。そして、そのいのちが私たちの体の栄養となって・・・いのちはつながっていくのです。校長先生のお話は、きっと1年生の心にも響いたと思います。

 

 少し話はそれますが、少し前に1年生のある子がこんな話をしていました。

「先生、しってる?アゲハのようちゅうってな、うまれてからいっかいもお母さんにあえへんねんて。」

 そんなこと、考えてもみませんでした。アゲハチョウは、卵から幼虫がかえって、自分の卵のからを食べ、脱皮を繰り返して成長し、さなぎになって、チョウになる。私の頭の中にあるアゲハチョウ像は、これくらいのことでした。1年生の子どもが、こんな風に自分とアゲハチョウを重ねて、お母さんと会えなくてさみしいんじゃないか、と想像していることがとてもいとおしく、感動したのをおぼえています。

 

 いのちのとらえかたで、そのものに対する接し方は全くちがってくるように思います。まだ赤ちゃんなのにお母さんに会えないアゲハチョウの幼虫が、一生けんめい葉を食べている姿は、とても力強いです。目の前に出されるいわしのフライを食べることはいわしのいのちをいただくこと、そう考えると、じっくりと味わって残さず食べたいです。そして私自身も子どもたちも、みんなに祝福されて生まれてきた大切ないのち。その誰もが、大切にされないことがあってはならないと強く思うのです。

 

 教室の外にあるベランダでも、まさにいのちをつなごうとしているものがあります。暑さに負けずぐんぐんつるをのばし、毎日かわいい花をさかせるアサガオには、ついに種ができました!感謝して収穫し、来年の1年生にプレゼントしたいと思います。

 

1年担任  秋田 幸絵