これは、私たち、ノートルダム学院小学校の創立者「マザーテレジア・ゲルハルディンガー」の像です。

本校の正面玄関を入ると、その正面奥にその姿が見えます。本校に来校してくださった多くの方々も、何度かご覧下さっていることと思います。私たち教職員と、子ども達は敬意を示し、その御像の前を通る時、軽く一礼することとなっています。

急いでいる時、たくさんの荷物、重い荷物を持っている時。頭をピョコンと下げるだけになってしまいます。でも、この像の足元と、手をご覧下さい。

 

足元に置かれた折り紙は、低学年児童の作品でしょうか?いつも、気がつくと、折り紙のアサガオや勲章などの作品が置かれています。難しい手の込んだ作品ではありません。きっと、小さな子ども達が折って、「上手にできた!誰にあげようかな?」と考えて、そして、「そうだ、マザーにあげよう!」とこっそり置いていっているように思うのです。

マザーの差し出された右手の指先は、ピカピカに光り、変色しているようにさえ見えます。なぜでしょうか。

それは、前を通る子達が、握手していくからなのです。
誰が始めたか分かりません。私たち教職員が、子ども達に指示したこともありません。
誰かしらが自然と始め、広まったというより、その前を通る子達が自然と握手していくのです。

先日は、本校で実施している「KIDS ENGLISH」に参加する園児たちが握手しているのを見ました。その御像の前を通ると、そのお顔を見ていると、差し出された手を見ると、思わず、握手してしまうようなのです。

マザーテレジアの言葉より

「すべての神の業は、時間をかけ、ゆっくりと、しかも苦しみのうちに生み出されていきます。その時、その根はたくましく張り、その花は見事です。」

最近、厳しい寒さが続いています。花が咲くどころか、草も枯れて、茶色くなっています。まだ、芽も見えません。
冬の季節のように、私たちの日々の努力が報われていないように感じることもあります。でも、このマザーの御像の手や足元に置かれた作品を見ると、マザーの言葉通り、私たちが自問自答し、私たち自身も悩みながら行う教育活動は、ゆっくり、ゆっくり、苦しみのうちに、花開くような気がします。

今、この寒さに負けず、元気に活動する子ども達に、時代を超える確かなもの「徳と知」が備わるよう、「惜しみなく、弛まず努力しなさい」と、マザーから語られているような気がしています。

1年担任 田島 美穂