6年生の中学校入学試験が始まります。6年生の保護者様の中には迷いや不安のうちに日々過ごされている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。このような時機に人生の根本的な問いかけ「人は何のために生きているのか」に触れてみるのは意味のあることではないでしょうか。また、人はみな両親を通して神様からいただいた能力・才能・資質を充分に伸ばし、やがて自分に合った職業に就き、それを使って社会に奉仕し、そして神の生命にあずかるように招かれています。人は顔かたちが違うように、その才能・資質も同じではありません。一人一人がそれぞれ独自の人生を歩むよう招かれています。
 人はみなかけがえのない存在です。「かけがえのない」ということはどの人も他の人と代わることのできない存在であるということです。また、どの人をも他の人と比べてはならないという意味です。ほかの人と比べて卑屈になったり、他人を妬ましく思ったりすることは、自分自身を大切にしないばかりではなく、人間としての品位を損ねることにもなりかねません。
 自分の存在を認め、自分の生命を尊び、多くの方々の善意によって今ここに生かされていることに気づき、それに感謝するような生き方をするよう努力いたしましょう。
 6年生の子どもたちが、全力を尽くした後は、結果の如何を問わず「これでよいのだ」といえる心構えがいただけるよう神様に祈っています。
 「人事を尽くして天命を待つ」、全力を尽くした後は、その結果を勇気をもって受け入れることが出来るよう、6年の関係者や私たち教職員は、今、心して、卒業前の6年生の指導にあたっています。
 6年生にとって残り少ない卒業までの日々を、傲慢になることなく、また卑屈になることもなく、友情を育てながら明るく登校することが出来ますように、と願っています。