「葉っぱのフレディ」というお話をご存知の方も多いかと思います

 フレディという名の一枚の葉っぱが、沢山の仲間たちのなかで自分も一枚の木の葉であることを認識し、四季の移り変わりのなかで自分自身の変化と木の葉としての役割に気付いていきます。寒い冬の朝、はじめは恐れていた、落葉となって朽ちていく自分の運命が、実は新しい生命への循環、再生という大自然のなかの厳粛な摂理のうちにあることを受け入れ、やがて仲間たちの後を追って自分も静かに地面に落ちていくという、自然界のライフサイクルをテーマにした感動的なお話です。
ノートルダム学院小学校の2階音楽室の窓の外に並ぶイチョウの木。彼らの四季折々の変化もまた劇的です。春、新しく伸びた枝には、まだ一枚の葉もありません。かわいい新入生が校歌や聖歌を覚え始める頃、沢山の小さな葉をつけはじめ、やがてすぐに夏のまぶしい陽射しを遮ってくれる緑のカーテンとなります。秋には見事なまでの黄金色に衣替えをし、刻々と美しく色を変えながら私たちの目を楽しませてくれます。そして冬、フレディとその仲間たちは、音楽室の子どもたちに「また来年会おうね。」と別れを告げて一枚、また一枚と静かに地面に落ちていきます。
 時折、授業の合間に「窓の外を見てごらん。」と子どもたちに声をかけます。すると、何かを発見したのか、子どもたちからは「うわぁー」という歓声があがります。時には、葉っぱの様子の変化だけではなく、枝の上の小さなお客様にもすぐに気がついて、音楽室は急ににぎやかになります。こうして、ノートルダム学院小学校の子どもたちは入学から卒業までの毎日をフレディと沢山の仲間たちから見守られながら、確かな成長の日々を過ごしています。
 あっ!そう言えば、フレディとその仲間たちから伝言を預かっていました。

「6年生の皆さん、ご卒業おめでとう。この6年間の君たちの成長は、本当に素晴らしいものですね。たくさんの感動をありがとう。きっとどこかでまた会おうね!」

2年副担任 寺下 徹

 

3月 まだフレディは生まれて
いません。
4月 新しい1年生を待つ音楽室に、柔らかな
春の光が椅子の上で踊っています。
4月 春の温もりのなかでフレディと沢山の仲間たちが産声をあげました。