少し前の話になりますが、1月の月目標は「平和」でした。

 平和のシンボルといえば「ハト」を思い浮かべますが、これは旧約聖書の創世記にある「ノアのはこぶね」のお話からそう言われるようになったのだそうです。
 宗教の時間、2年生の子どもたちに、「ノアのはこぶね」のお話を読みながら、ハトの話をしていると、
「先生、ハトがいるよ。」
と子どもの声。子どもたちの視線は一斉に、教室の窓の外の1本の木の枝に止まっていたハトに集中しました。
「わあ!ほんまや~。」
と大歓声。
「ぼくの話をしているんだね、って聞きに来たのかもしれないね。」
と言うと、子どもたちはみんな笑顔になりました。

 数日後、そのすぐそばの木に、ハトの巣があるのを見つけました。あのハトなのでしょうか。寒さの中、体を膨らませて、じっと卵を温めているようでした。そっと見ていると、なんと動いているひなが見えました。極寒の時期の子育てに、思わず「がんばれ!」と叫びたくなりました。

 ノートルダムで生まれた子鳩が、無事に巣立ちますように。
 そして、ノートルダムで平和を学んだ子どもたちが平和をもたらす人に成長し、将来世界に大きく羽ばたきますように。

宗教専科  原山 裕子