今年もまもなく卒業式を迎えます。今日は、少し前の6年生社会科授業のようすを紹介します。

 ノートルダム学院小学校では、どの学年も本校独自のカリキュラムで授業を行っています。私立中学の受験への配慮として、すべての学習が12月に終了することを目標にしています。今年度の6年生の社会科は、5年生の学習の続きである『室町時代からの日本史』と『公民』を12月中に学習しました。入試までは、やはり『知識重視の授業』になりましたが、受験が終わってからは『考えることを重視した学習』を行いました。今日はそれについて紹介します。

 中学受験が終わり、ひと段落してからの2月は、課題を与えて『NHKビデオ・昭和の記録』を観て、その課題に答えるというものでした。例えば、1944年10月から1945年の終戦まで行われた『神風特攻隊を学習してどう思ったか、考えを述べよ』でした。児童のレポートを一部紹介します。

私は、このビデオを見て感動したところは、神風特攻隊が『笑顔をみんなに振りまいているところ』です。本当は不安と悲しみでいっぱいだと思うのに、あんな笑顔でいることが、本当にかわいそうだと思いました。そして、2500人もの人がこの特攻隊で死んだと聞き、もっと命を大切にしてほしかったと思う。      6年  女 子


(知覧特攻平和会館 提供)

 『鈴木首相、ポツダム宣言黙殺』~『広島・長崎原爆投下』を受けて、『日本の終戦の迎え方について』考えなさい。

日本はもっと早くにポツダム宣言を受諾していれば、広島にも長崎にも原爆を落とされずにすんで、亡くなった人も亡くならなくてすんだと思いました。原爆を落とされても日本がつぶされるまで戦うことを主張した人はひどいと思いました。      6年  男 子

 

 授業で使ったこれらのビデオは、昨年86歳で亡くなった父が毎日のように見ていたものです。そして夕食時になると、決まって戦争の話をしていました。私やわたしの子どもたちは「また、その話か」と心の中でつぶやきながら聞いていたものです。その父が私たちに伝えたかったことは何なのか?今、改めて考えてみると、『戦争の悲惨さ』なのでしょう。これを正しく子どもたちに伝え、『二度と同じ過ちを犯してはならない』ということを感じてほしいと思います。

  天国の父に感謝しながらこの授業をさせてもらいました。                           

 

6年担任 社会科担当  中塚 博之