気象予報では、花粉情報が出されるようになりましたが、まだまだ、寒さがしみる毎日です。そんな中、身も心も、芯から温まるようなプレゼントを、ある女の子からもらいました。この暖かさを皆様にもご紹介し、暖かさを共有していただけたら…と願います。

 本校では、絵画や工作、自由研究等々のコンクールに積極的に参加するように勧めています。NHK短歌・俳句コンクールもその一つです。先日、その結果が届きました。
 結果・・・短歌部門:百人一首賞:1名(これは、応募作品の中から100人選ばれます)、入選8名、俳句部門:特選1名、入選3名選出され、学校としても、「学校優秀賞」を頂きました。
(ジュニアの部には、今回、15,364首の作品が応募されました)

 今年度の6年生も、授業で取り組み、全員でNHK短歌・俳句コンクールに参加しました。短歌・俳句については学習済みでしたので、その時、短歌・俳句を指導したというより、「考える時間を与えた」と言うほうがふさわしいかもしれません。6年生は、中学受験を控えながらも、そのみずみずしい感性をいかし、悩みながら、(悩みも交えて)作品をつくりました。そして6年生は、11名も入選することができました。☆参照

 「百人一首賞」に選ばれたのは、私のクラスの女子でした。それだけでも担任としては、かなりのプレゼントです。その短歌を紹介します。

  ~   先生の服の色がカラフルで 色おにの時人が集まる  ~

 実は、全員の作品をチェックしたわけではありませんでしたので、「入選」のお知らせがくるまで、誰が、どのような作品をつくったのか、分からなかったのです。この作品を見て初めて、驚きと喜びと感謝と申し訳なさと、いくつもの思いが込みあげてきて、胸が熱くなりました。
 洋服のことで、ではなく、常々、厳しい担任に対して、こんなに暖かい見方でいてくれたのだと思うと、胸がいっぱいになったのです。
 それと同時に、「『色おに』して、一緒に遊んだのって、いつだっけ?」「あれ?『色おに』したっけ?」と疑問が沸きました。もしかして、この「先生」というのは、私のことではなく、どなたか他の先生のことか、はたまた、想像のものか…。最初の感激が大きかった分、落胆も大きくなりました。
 そして、「確かめるのはよそう。」「もう、思い込んでおこう。」と言う結論に達しました。

 先日、校内テレビ放送でも、表彰を行い、喜びを全校で分かち合いました。
彼女は、短歌を暗唱しました。私とその女の子は、ただ、にっこり、にんまり笑みを交わしました。そして、私は何だかたまらなくなって、「 ありがとう 。」と言いました。その子は、何にも言わず、何ともいえない可愛い笑顔を返してくれました。

 最高のプレゼントをありがとう。先生は、幸せ者です!先生も、お返しできるように、これからも頑張るからね!

                                     六年担任・国語担当・田島 美穂

☆6年生短歌入賞作品

あんなにもほしかったのにカブトムシ 今じゃ母さんエサやり係      6年男子

ねむたさにふと気がついたバスの中 ああ今年も来た桜の季節     6年男子

だれよりも早起きじまん 窓あけて負けたと思う 朝顔満開        6年女子

冬の日に入院中に見た空が未だ脳裏にきらめいている          6年女子

選挙の日人が集まりがやがやと風船めあてに私ついてく         6年女子

夏休み夏期講習で買えなかった祇園祭の合格祈願            6年男子

鉛筆を短くけずればけずるほど近づいてくる入試当日           6年男子

☆俳句入賞作品

運動会 インフルエンザでじゃまされる                6年女子

アゲハチョウ ふうわりとまる墓参り                  6年女子

夏休み反抗期です すみません                    6年女子

夏休み ひぐらしないて筆進む                     6年男子