5年生は、10月に1泊2日で平和学習に行く予定をしています。主な訪問先は、広島の平和記念資料館、世界平和記念聖堂(カトリック幟町教会)、厳島神社(宮島)などです。子どもたちは、この数年のコロナの影響で、ほとんど校外学習にいくことができず、今回の宿泊学習は、夏の遠泳合宿に続く、2回目の貴重な機会となります。

 日頃から、1日4回はお祈りをする本校は、平和のためにお祈りをする機会も多いです。一方で、子どもたちは、歴史をまだ学習しておらず、広島についてもよく知らない状態です。教師として今回の機会をどのように活かすべきか。先日読んでいた資料の中に、平和記念公園で原爆の被害についてガイドしているピース・ボランティアの方が、観光客に言われた言葉にショックを受けたというものがありました。それは、「それにしても、よかったですね。原爆を落とされたのが公園で」というものだったそうです。平和記念公園は、かつて大勢の人でにぎわう広島の繁華街であったということを知らないが故の勘違いですが、歴史を伝えることの大切さを感じました。教員として、せっかくの機会を充実したものにするには、どうしたらよいか考えながら先日、下見に行ってきました。

 私自身も広島を訪れるのは実に、小学校の修学旅行以来でした。行ってみると、広島と京都の風景のちがい、路面電車の発達や、大きな川のある美しい風景が印象的でした。ちょうど、社会科の担当をしていることもあり、子どもたちにはそういったことにも目を向けてほしいと感じました。また、宮島にむかうフェリーからは、まさに「神の島」と呼ばれるのに相応しい神々しい宮島の姿に感動しました。平和についての学習はもちろんですが、まずは身近なテーマから広島の事に興味をもってもらい、広島・宮島の文化や風土、景色の素晴らしさを心に刻んでもらえたら嬉しいなど感じています。そして、そこから歴史と平和についてもじっくり学びを広げて欲しいと考えています。

 先日、社会科の授業では、「広島・宮島」の20個のテーマを謎として、子どもたちに調べてもらいました。「広島がなぜ平和の街となったのか」「広島焼とお好み焼きのちがいは」「宮島はなぜ神の島といわれるの」「厳島神社の工夫とは」「宮島にはなぜ鹿が多い」「もみじまんじゅうの起源」など歴史や文化などの多くのテーマから自分が好きなものについて、ロイロノートを使って上手にまとめていました。同じテーマであっても、調べる視点がちがっているので、今後、調べ学習が終わった後、交流するのが楽しみです。

 出発まで2週間余り、広島での学習が子どもたちにとってよいものとなるようにサポートしていきたいです。

 

5年 担任 兵田 千紗子