秋におこなわれた4年生の校外学習と、これまでの学びの集大成とも言うべき学習発表会の様子をご紹介します。

1.クリーンセンター見学

9月、左京区の京都市東北部クリーンセンターにおじゃましました。

 

このセンターは8年前に作られたごみ処理施設で、見学者への対応もすぐれた設備を誇っています。まず、ビデオで施設の概要を学びました。ビデオの最後はセンターの仕組みについての復習クイズも出され、前のいすの背に付いているボタンを押して答えを出します。

 
 
 

そのあと、クラスごとに係の方にセンターの中を案内していただきました。

 
 
 

パッカー車が次々と運んでくるおびただしい量のごみを、このセンターでは一日に最大で700トンも焼却することができます。その余熱を利用して、15,000キロワット、27,000もの世帯が使う電力量の発電が可能ということでした。先端技術を駆使し、環境にやさしいように造られたこのセンターですが、やはりごみの多さと、その原因のひとつとも言うべき「使い捨て」については、あらためて考えさせられる校外学習でした。

2.輪中見学

10月16日、4年生は輪中地帯の3ヶ所を訪れ、校外学習をしました。

最初は木曽三川公園センターの見学です。ここは、愛知・三重・岐阜の三県にまたがる、国営公園としては日本最大の「木曽三川公園」の施設の一部で、岐阜県海津市に位置します。

高さ65mの展望タワーから眺め渡すと、揖斐・長良・木曽の三川が近接しているのがわかりました。また、堤防よりも低いところに住宅があることも自分の目で確かめました。

 
 

お昼は、秋の花が美しい、芝生の広場でいただきました。

 

次に向かったのは、海津町歴史民俗資料館です。ここでは、まず資料館の先生から「堀田(ほりた)―水がつかないように土を堀り上げた田んぼ―」について詳しく説明していただきました。

 
 

続いて、資料館の中を見学しました。

 
 

最後に向かったのは、大垣市の「輪中館」と「輪中生活館」です。どちらも現地の方がていねいな説明をして下さいました。

 
 

大垣は「水の都」とか「水都大垣」とも呼ばれる町で、恵まれた水とともに発展してきた町です。その水の恵みと同時に、輪中地帯に住む人々が古来、どのように水と闘ってきたかを学んだ一日でした。

3.山の家学習―脱穀―

田植えに始まった、一連の稲作活動もこの日の脱穀でおしまいです。春からの活動の様子を写真で振り返ってみます。

 
5月 田植え
 
6月 稲の観察
 
10月 稲刈り

10月23日、4年生全員が山の家へと向かいました。残念なのは空模様。稲木に架けてあった約2俵分の稲は、前日の午後からの雨の前にビニルシートをかけて対応してあったのですが、当日もあいにくぐずついた天気となりました。小雨に打たれながら稲を下の駐車場から運び上げ、ベランダ伝いに山の家校舎裏のひさしのある場所まで持ってきます。

 

脱穀で使う道具は、足踏み脱穀機と唐箕(とうみ)です。まず、脱穀機で稲からもみを掻き落とします。脱穀したばかりのもみには藁やゴミ、実の入っていない空籾などが混じっているため、唐箕を使ってそれを風の力で吹き飛ばし、選別するのです。

 

天気が良ければ、稲を刈り取った広いスペースで、秋の日差しを全身に浴びながら作業ができたのですが、校舎裏のせまい場所でひしめき合いながらの脱穀となりました。

 
 
 
 
 
 

脱穀機で落とせなかったもみをつまみとり、地面に飛び散ったもみを一粒ずつ拾い上げて唐箕に入れました。一粒の命を大切にする心を学んだ一日でした。

4.学習発表会

学習発表会は二部仕立てになっていました。
11月4・5・7の3日間は、それぞれ午後の1時間を「クラス内発表会」に当て、各クラスで、グループごとの発表がおこなわれました。テーマはどんなものかというと、たとえば、5日の発表では、
「ゴミ屋敷」「絶滅危機のマリモ」「温暖化が続けば?食」「他人事でない壮大な水不足」など、それだけで興味をひかれそうなタイトルでした。
12日、NDホールで学年の全体発表がおこなわれました。

この学習発表会「NDエコサミット」には次の4つの大きなテーマがありました。

「水」 「ごみ」 「絶滅の危機にある生き物」 「地球温暖化」

そのひとつひとつの問題を、劇・発表・合唱の3つを通してそれぞれのクラスが強く連帯してアピールします。たとえば、「ゴミ」は14組が劇を演じ、13組が調べたことを発表し、そして15組が歌を歌います。「絶滅の危機にある生き物」では、15組の劇、14組の発表、締めは16組の『いのちのふしぎ』の合唱でというわけです。

 
 
 

発表の会場となったNDホールにはいくつかの演出がありました。

 
 

一番の工夫と努力が見られたのが上の世界地図です。
地図で大陸や島を形どっているのは、ペットボトルのふたです。全部で1800個!下の「NDエコサミット」云々の文字を入れると2000個を超えます。まさに「エコ」にふさわしいアイディアです。4年生からだけではなく、朝のTV放送で他学年にお願いして、全校で集めた「ふた」でした。4年の教師たちが海岸線を作り、子どもたちがボンドを付けたふたで陸の部分を埋めて作り上げました。命、水、そして環境について、恵みと問題とをあらわにした大作と言えるでしょう。
しかし、それも4年生のパフォーマンスそのものにはかないません。

 
 

発表の質の高さは、見学者である保護者の皆様、なにより来年の準備にとNDホールのいすに座った3年生の反応です。つまらなかったらさざめき出す3年生は、一番のバロメータです。ふつうの授業時間の40分をはるかに上回る、1時間を超えるという長い時間、食い入るように発表を見られたのは、4年生が学年目標の「フルスィング」をこの学習発表会で発揮できた証左といえるでしょう。
一人ひとりの学びと学年全体の一体感が強く感じられた70分でした。
4年生、がんばりました!