「あっくんは たべられない」~食の困難と感覚過敏~ (作・あっくん  監修 高橋 智  世音社)という絵本があります。作者あっくん(菊間章紘さん)は,発達障害当事者として,自身の感覚過敏や「日常でどのように接してもらえると助かるか」等をテーマに17歳の頃から母親と共に講演活動をされています。(本書作者紹介欄引用)作者は現在,東京造形大学美術学科で絵画を専攻されている。

この絵本の表紙をめくったところに次のような一文が載っていた。

どうしてみんな平気なの

くさい いたい きもちわるい・・・

それなのに

わかってもらえない

わたしたちは,日々いろいろな子どもたちと接しています。それぞれの子が,神様に与えられた能力を最大限に生かし伸ばすよう,日々教育活動に励んでいます。それは決して画一的なものであってはなりません。個々には特性があり,それを理解してうえで,個に応じた対応をしていかなければならないことを痛切に感じさせてくれる絵本でした。子どもにとって,良かれと思ってやっていることが,その子を逆に追い込むことになってはいないか,見極める必要があります。あっくんは,よき理解者である母親に恵まれて幸せだと思います。この先も困難を克服してゆっくり成長していってくれることを願うとともに,わたしも良き支援者になろうと改めて思いました。

4年,図書館担当  中塚 博之