時間が経過しても、月日を重ねても、衝撃にも似た深い感動の体験を、人は忘れることができません。もし、その状況を理解することのできる人たちが周りにいるなら、「ねえ、聞いてください、こうだったのですよ!」と、語らずにはいられなくなります。

 10月8日午前9時半、155名(欠席者6名)の6年生は、山の家、一階の広間に集まりました。修養会の始まりです。

 ご指導下さる一場修神父様のご紹介に先立って、私たちも挨拶のために児童の前に並んで立ちました。その時です。彼らの顔が一斉に、私たちに向けられているのを見ました。一人の例外もなく155名の6年生たちは、真剣な心を見せて、言葉を待ち受けていたのです。310の瞳はきらきらと輝いていました。

 修養会に参加するにあたって、細やかに指導を重ねて下さった6年生担当の先生方の熱意が彼らの瞳の奥に映っていました。この日にいたるまで、彼らの成長に関わってくださったご両親をはじめ、数えきれないほど多くの方々の熱い想いが、今、彼らと共に、そこにあるのを、私はみていました。

 静かな時が、秋風の吹き渡る山の家に、流れていきました。

10月15日    シスターアンミリアム木村