NDパートナーシップ

 ぴっかぴかの1年生が入学してきました。3月の陽気を持ちこたえた満開の桜のもと、入学式を滞りなく終えることが出来ました。入学式・始業式後の1週間、このなんともいえない、学校が喜びで沸き立つ雰囲気が、私は大好きです。運動会などの行事で沸き立つのとは、また違った…喜びとともに、ちょっぴりの不安と、大きな期待も交じったこの雰囲気です。子ども達の期待に応えるべく、全力投球します。 

 1年生の不安を消してくれる存在の一つが、「6年生パートナー」です。縦割り活動は、本校の伝統とも言えます。ほかにも通学班、縦割り給食、スポーツフェスティバル(運動会)などがあります。このパートナー制度も、約10年たちました。すっかり定着し、6年生は、「1年生をみてあげなくては」という責任感をもって、朝の用意、休み時間の遊び、給食など、一日を通し、様々に子どもらしく教えます。
 もちろん、6年生ですから、まだまだ子どもです。思いをうまく伝えられなかったり、やり過ぎたり…と失敗はします。一人っ子も多く、兄弟数の少ない昨今、5歳も年下の弟や妹を日常的に面倒をみている子はほとんどいません。1年生にしても、5年も年上の人と話すことは、そうそうない状況です。だからこそ、このパートナーシップは、子ども達にとって、貴重な経験の場なのです。

 5年ほど前のことです。パートナーシップを始めた頃の1年生が6年生になり、卒業式を迎えました。卒業する6年生の担任だった私は、見覚えのある高校3年生の卒業生の顔を見つけました。
「あれ?何しに来たの?」私は、思わず問いかけました。すると、「パートナーの卒業式やから来たんやん。」という返事がかえってきました。そうです。5歳年下のパートナーの小学校卒業を祝うため、小さな花束を持って、わざわざ卒業式に来てくれたのでした。担任した卒業生を、本当に誇らしく思えた瞬間でした。
 他にも、卒業後もパートナーと手紙のやり取りをしている子ども達もたくさんいます。
今の6年生もきっとそうなってくれるはずだと確信しています。そして、そのように可愛がってもらった経験を持つ、この1年生たちも。
お互いに失敗しながら、友達とはまた、一味異なる関係を作り上げていく子ども達を見守りたいと思います。

 TV朝礼(放送)でのパートナー紹介より

 休み時間の交流          

  マリア様にお花をささげようとする1年生パートナーを支える6年生   

 1年生担任 田島 美穂