あれは何年前になるのでしょうか。ちょうど、マラソン大会に向けての練習が始まった頃。4年生のクラスのある男の子が言いました。「先生、今年のマラソン大会、ぼく、あせっているんです。」「どうして?」「だって、去年、男子の最下位だった〇〇君が、今、足を骨折していて、『今年のマラソン大会は無理』って言ってたし・・・ということは、もしかしたら今年はぼくが・・・去年、最下位から2位のぼくが、最下位?!・・・ジャジャジャジャーン。それから、体育の先生は、『ペース配分に気をつけて走りなさい。』とおっしゃっているけど、ぼくのお父さんは、『一瞬でもいいから全速力で走れ。瞬間でも1位になったらあとはいい。』と言ってます。先生は、どう思われますか?」横から友達が言いました。「でも、それで倒れてしまったらどうする?」「それでも、『☓☓君(自分のこと)は、一瞬、1位でした』、って言われるよ。」普段から、クラスの当番活動や掃除をとてもまじめにする子でした。そして、まじめなんだけれど、ユーモアがあり、面白い子でした。子どもとはいえ、「すごいな。」と感心したのを覚えています。ふと、思い出しました。今、どうしているのかな。

4年担任 坂瀬雅美