ノートルダム学院小学校 音楽科
寺下 徹
稲森 真弓
建林 美紀子
波々伯部 宏彦

2015年11月10日(火)、京都コンサートホール大ホールにおいて、ノートルダム学院小学校全校音楽会が行われました。ご来賓のシスター方や沢山の保護者の皆様にご来場いただき、子どもたちは先生方と一緒に心をひとつにして日頃の練習の成果を十分に発揮することができました。 今回も、仲間と共に音楽することを思う存分に楽しんで発表することができ、演奏会終了後には沢山の方々から感動と感謝のお言葉をいただきました。皆様、本当にありがとうございました。

 

◆全校音楽会プログラム

 

出 演 者

曲    名

作詞/作曲/編曲者

 

全体合唱

校歌斉唱

作詞 シスターアンシラ坂口
作曲 シスターキャロライン遠見

1

4年生

合唱「木を植える」

谷川俊太郎 作詞/木下 牧子 作曲

合唱奏「世界のどこかで」

寺下 徹 作詞/作曲

2

2年生

合唱「お手紙」

寺下 徹 作詞/作曲

合唱奏「『かえるの歌』で世界の旅2015」

寺下 徹 作詞/作曲

3

クラブ発表
《合唱クラブ》

「Salve Regina(サルベ・レジーナ)」

M.コチャール 作曲

「いのちの歌」

Miyabi 作詞/村松崇継 作曲
冨澤 裕 編曲

4

3年生

合唱「この声が届くように」

覚 和歌子 作詞/谷川 賢作 作曲

合唱「きみはおしえてくれる」

新沢としひこ 作詞/氏家晋也 作曲

5

クラブ発表
《お箏クラブ》

「祭花」

吉崎 克彦 作曲

「雪はな」

吉崎 克彦 作曲

6

クラブ発表
《オーケストラ+
ブラスバンドクラブ》

「交響曲第1番」第1楽章

モーツァルト 作曲
波々伯部 宏彦 編曲

「カルメン前奏曲」

ビゼー 作曲
波々伯部 宏彦 編曲

7

1年生

合唱奏 音楽物語「大きなかぶ」

名村宏 作詞/越部信義 作曲
建林美紀子 編曲

8

5年生
《R17/R18》

合奏「ミッション・インポッシブル」

ラロ・シプリアン 作曲/山下国俊 編曲

5年生
《R19/R20》

合奏「ルパン三世のテーマ」

大野雄二 作曲/山下国俊 編曲

9

6年生

合唱「大切なもの」

山崎 朋子 作詞/作曲

合唱「時の旅人」

深田じゅんこ 作詞/橋本 祥路 作曲

 

全体合唱

「めぐみあふれる」

作曲 寺下 徹

 

♪オープニング全体合唱(校歌斉唱)

2015年度の全校音楽会の開始です。舞台上の4年生と会場の児童が全員起立して校歌を斉唱しました。

 

4年生 「木を植える」 「世界のどこかで」

 4年生は、音楽会のオープニングの全体合唱(校歌斉唱)の時から、ずっとステージの上で待機(板付き)状態でしたのでだいぶ緊張したかもしれませんが、最初の「木を植える」からきれいなハーモニーを会場いっぱいに響かせて歌ってくれました。木を植えるという人間の行為を色々な事柄に例えたり重ね合わせたりしながら、最後は生きとし生けるものを結ぶ人間の智恵と力なのだと、谷川俊太郎さんのスケールの大きな詩を高らかに歌い上げました。
 続く「世界のどこかで」は、音楽会のわずか一ヶ月ほど前に出来上がった曲です。一曲目の「木を植える」のバラード風な曲調と違って、アップテンポでポップな感じの曲をと思い、あれこれ選曲しているうちに、アフリカンリズムをベースに出来上がった曲です。
 21世紀の今日でも世界のどこかで争いが起き、国を追われる人々がいます。そして世界のどこかでその争いによる新たな悲しみが生まれています。平和な日本に暮らす私たちは、そのことに目をつぶってはいけない、耳をふさいではいけない、いつも世界に目と心を向けながら「平和」について真剣に考え、みんなで心から祈ろうというメッセージを、アフリカンリズムに乗ってラテン語の「ドーナ ノービス パーチェム」(主よ、我らに平安を与えたまえ)と共に歌い上げる「祈りの歌」です。4年生は、音楽の授業中に少し触れた、世界の難民問題や宗教・イデオロギーの対立による戦争とその悲惨さについての話にも真剣に耳を傾け、この歌の背後にある大きなものを感じ取りながら歌ってくれました。

 

2年生 「お手紙」 「『かえるの歌』で世界の旅2015」

 2年生は、国語の授業でアーノルド・ローベル作の「お手紙」という物語を勉強しました。今まで誰からも一度もお手紙というものをもらったことのないがまがえるくんに、ある日、親友のかえるくんが内緒でお手紙を書いてあげることにしました。それを友だちのかたつむりくんに配達してもらうのですが、そのお手紙が届くまでかえるくんが、がまがえるくんと一緒にずっと待っていてあげるという、すてきなお話です。数年前にその物語を「お手紙」という歌にしてみました。国語の授業と時を同じくして、音楽の時間に「お手紙」の歌を練習しながら、「かえる」つながりで色々な国の音階でかえるの歌を弾いて楽しもうということになり、沖縄からアラビア、スコットランドを周り、アメリカ南部のブルースから、ブラジルのサンバ、そしてアフリカンリズムのかえるというふうに、「かえるの歌」で世界の旅をすることにしました。2年生は、みんな毎回の音楽の授業でもノリノリでした。かなり難しい指使いでもどんどん弾けるようになって、あっという間に世界を一周して、最後はアフリカの言葉「ジャンボ!」で元気に締めくくりました。あーぁ楽しかった!

 

♪合唱クラブ 「Salve Regina(サルベ・レジーナ)」 「いのちのうた」

 「Salve Regina(サルベ・レジーナ)」 「いのちのうた」


 発足して5年目を迎えた合唱クラブは、発足時の十数名からようやく人数も増え、今では40名を超える大所帯となりました。夏のNHK全国学校音楽コンクール京都府コンクールでは、皆様の応援のおかげで今年も5年連続となる金賞を受賞することができました。一曲目の「サルベ・レジーナ」は、今年のコンクールの自由曲として歌った曲です。ラテン語の歌詞で、しかも無伴奏の「ア・カペラ」という超難曲ですが、合唱クラブのみんなはこの曲のもつ神秘的で祈りの雰囲気に満ちた独特の魅力に惹かれ、敢えて大チャレンジしてみました。コンクールでは練習の積み重ねの成果を存分に発揮することができ、高い評価を得ることができました。何より、子どもたちにとって大きな自信になったに違いありません。二曲目の「いのちのうた」は、元々、平成8年度下半期に放送されたNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」のドラマの中で歌われた曲です。生きていることの意味や、今、生かされていることへの感謝を綴った詩と、美しくもどこか切ないメロディーがとてもすてきな曲で、合唱クラブのみんなは一度歌っただけで大好きになった曲です。

 

3年生 「この声が届くように」 「きみはおしえてくれる」

 普段からとても元気で活発な音楽大好きな3年生です。そんな3年生に、谷川賢作さん作曲のまるで遠い国の草原に一陣の風が吹くようなちょっと不思議な「この声が届くように」という曲を歌ってもらったところ、覚和歌子さんの叙情的な歌詞にも想像力を刺激されたのか、とても表情豊かに歌うようになりました。ちょっと不思議なハーモニーを体全体で感じ取り、表現しようとする子どもたちの姿にとても驚かされ、感動しました。
 子どもたちの元気いっぱいなところも大切にしたい、歌を通して友だちの大切さにも気づいて欲しいという思いから、「きみはおしえてくれる」という歌を選びました。本番では、勢い余ってちょっとズレたところもありましたが、ドンマイ!元気いっぱい、楽しく歌ってくれました。みんなありがとう!

 

♪お筝クラブ 「祭花(まつりか)」 「雪はな」

 お筝クラブは、京都を代表する生田流筝曲三弦演奏家三好晃子先生のご指導のもと、日本の伝統音楽を大切に受け継いでいこうと練習に励んでいます。音楽会では、現代的な新しい雰囲気と、日本の伝統的な音楽の雰囲気が両方感じられる二曲を演奏しました。普段、あまり接することの少ないお筝の見事な演奏に、コンサートホール内の空気感が一瞬のうちに和の雰囲気に変わりました。

 

♪ブラスバンドクラブ & オーケストラクラブ

 普段、なかなか一緒に演奏する機会の少ないブラスバンドクラブとオーケストラクラブですが、年に一度の全校音楽会では、お互いに力を合わせて管楽器と弦楽器の合奏を楽しんでいます。音楽会では、はじめに弦楽器だけのオーケストラクラブが、モーツァルトが8歳の時の作品である交響曲第一番第一楽章を演奏し、続いてふたつのクラブの合同演奏としてビゼー作曲オペラ「カルメン」より誰もがよく知る軽快な曲想の「第一幕への前奏曲」を演奏しました。1年生から6年生までの幅広い学年の児童に顧問の先生方も加わり、熱演が繰り広げられました。

 

1年生 音楽物語「おおきなかぶ」

1年生にとって初めての音楽会・・・ワクワク、ドキドキの本番でした。
音楽会に向けての練習では、叫ぶように歌ったり怒鳴るように歌ったりしないこと、鍵盤ハーモニカは5本の指をしっかり動かしてピアノ伴奏に合わせて演奏することなどに注意して練習に取り組みました。
音楽物語「おおきなかぶ」は、子どもたちが大好きなお話なので、とても楽しく練習に取り組むことができました。今回の発表のなかで、子どもたちがとても可愛らしい体の動きで表現するところがありますが、子どもたちが練習中に自然に「うんとこしょ、どっこいしょ」の掛け声と共に自分たちで考えた振り付けです。

 

 

5年生 R17・R18「ミッション・インポッシブル」
          R19・R20「ルパン三世のテーマ」

R17・R18「ミッション・インポッシブル」

冒頭の5拍子が印象的なスパイ映画のテーマ曲として有名な曲。そのリズムがこの曲の重要なポイントです。
練習では、拍子や拍が一致するまでが時間がかかり大変でした。難しいリズムや拍取りをしっかり感じながら主旋律を際立たせ、この曲の持つミステリアスな雰囲気を表現するために一人ひとりが工夫しながら練習を重ねました。

 

 

 

R19・R20「ルパン三世のテーマ」

 スピード感と躍動感のある人気アニメのテーマ曲。
様々なパートに主旋律が移り変わるため、部分ごとに切り替えを素早く行わなければならないところが課題でした。
裏方の副旋律に表れるトリル(音がふるえるような奏法)にみな悪戦苦闘していました。

5年生は、楽器の基本的な奏法を知り、各パートの「旋律の重なり」を意識しながら練習に取り組みました。自分の音、自分のパートだけではなく他のパートや周りの音をよく聴き、主旋律のパートをいかす演奏ができるよう心がけました。そのおかげで、練習ではパート同士の掛け合いの面白さや、主旋律と副旋律との対比などを今まで以上に意識することができました。曲が段々と出来上がってくると、今度は「会場のお客様に楽しんでいただく演奏」を目指しました。

 

6年生 「大切なもの」「時の旅人」


「大切なもの」


「時の旅人」

 6年生は、自分も感動し、聴いてくださる方々も共に感動する演奏を目指し、次のことを意識しながら練習を重ねてきました。
①パート練習の充実
②歌詞と旋律との関係について知り、表現の工夫をする。
③作詞者や作曲者の思いについて心を寄せて楽曲を仕上げる。

 練習では、子どもたちの自主性を重んじ、パートリーダーやサブリーダーを中心にパート練習を積み重ねてきました。各々の練習では、各自が自信を持って歌えるようになるまで、子どもたち同士でお互いにアドバイスし合い、ピアノ伴奏者や指揮者たちも意欲的に自分たちなりに工夫しながら練習に取り組んでいました。
 今回は、とくに歌詞につながる自分の気持ちやイメージを大切にするため、表現につながるキーワードや表現したい「思い」を「言葉」にし、楽譜に自ら書き入れることで「曲想」をつかみ、それにふさわしい表現を見つけるヒントにしました。そのキーワードや言葉のおかげで、当初は自分の思いを表現することの難しさを感じていた子どもたちは、それぞれが自分たちなりの思いを大切にした表現に精一杯チャレンジし、本番ではそれぞれの思いがひとつになってすばらしい全体の表現となり、音楽会を悔いなく終えることができたことを確信しています。

 

♪全体合唱 「めぐみあふれる」

最後に、全員合唱で「めぐみあふれる」を歌いました。聖母マリアへの祈りを込めた会場全員の歌声がホールいっぱいに美しく厳かに響き、ノートルダム学院小学校に学ぶ児童、保護者の皆様、そして教職員の祈りの心がひとつになって今年の全校音楽会の幕を閉じました。 みなさま、ありがとうございました。