図画工作科 田中 聖子
今尾 栄仁
森岡 厚次
岡田 攝子

本校の図画工作科では、写生会のほかにスポーツフェスティバル当日彩りを添える飾旗づくりを伝統的に行っています。各学年、飾旗のテーマを定め、テーマに沿ったデザインを考えていきます。

 

素材は、B4サイズ程度のユポ紙(半透明の耐水性に優れたポリプロピレン素材)で耐水性のマーカーを使用します。

以前は、油性マーカーを使用していました。油性マーカー独特のにおいと塗りムラの問題がありましたが、画材の進化もあり、作品の見栄えと塗りやすさを考慮し、作品作りに適切なマーカーを推奨して使用しています。

各学年のテーマと授業のねらいを紹介します。

1年生

「いろいろな線や形をつかった模様」

  

画面を様々な線で分割し、好きな形を配置し不思議な模様を作る。

出来上がったそれぞれの模様の色面をマーカーで着色する。

・線や形で感情を表現する楽しさを味わう。

 

2年生

「切り紙もよう」

  

正方形の紙を2~3回折り、はさみで切る。

それを広げた時にできる模様で旗のデザインを作成。

・偶然できる模様の美しさを味わう。

・隣り合う4色の関係を考え、マーカーで着色する。4色限定(模様部分に3色、背景に1色または模様部分に1色、背景に3色)

 

3年生

「1つのかたちから」

  

1つの型紙を作成し、その型紙を使用し型を取り、旗のデザインとする。

・形を重ねることでできる新たな形の美しさに気づく。(重なりと透過性)

・5色と限定された色数で表現する。

 

4年生

「シルエット」―生き物のシルエットを活かして-

  

任意の生き物をモチーフにシルエットの形で表現する。

その背景も選び出したモチーフに関連するデザインを考え色面構成する。

美しい色の組み合わせを見つけて配色する。

・シルエットの美しさを感じ、配色の効果を味わいながらデザインすることを楽しむ。

 

5年生

「文字を使って」

  

自分の名前の一文字を選び、その文字をデザインする。(漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット可)

・文字の形の美しさに気づく。

・文字が目立つような配色を考える。(5色限定)

 

6年生

「マス目を使ったパターン模様の発展」

         

旗のサイズの画面に任意の大きさの升目を作り、1マスのデザインを反転、回転させ並べ、連続した時にできる形を意識し模様を作る。

・色の特性(明度、色相)をいかした画面構成による模様作りを楽しむ。

クラス旗について

   

スポーツフェスティバルの当日、子ども達の応援席に大きなクラス旗が24旗並びます。このクラス旗も個人旗と同じ素材(ユポ紙)を使用します。大きさは、個人の旗の16倍です。

 

また、空に舞う個人旗の先頭には、三角形のクラス旗が並びます。どちらもクラスの子ども達からデザインを募集し、クラスのみんなで選びます。クラスのルームナンバーが入っていること、クラスナンバーはチームカラーであること、チームカラーが分かり易いデザインであることのみ限定したデザインを考えさせています。

子ども達は、自分のデザインが選ばれるように願いを込め、描いてきます。クラスのデザインが決まれば、それをもとに旗と同じサイズの紙に下描きをし、本番のユポ紙に配色していきます。この作業は、有志が集まり休み時間や放課後を使って行います。作り上げていく過程で、クラスの団結力が徐々に高まっていくことを願っています。