家庭科 野村志歩

5年生から家庭科の授業がはじまります。

大人にとっては、ごくごく普通の生活の一場面の出来事であっても、子ども達にとっては、何もかもが新しいことばかり...大発見の連続です。本校では、生活・総合の学習で低学年から調理実習を行っていますが、学習した知識を実践につないでいける家庭科の授業は、子ども達にとっても気付きが多いようです。

家庭科でのはじめての調理実習は「いろどり野菜をつくろう」ということで、ゆで野菜と簡単ドレッシングを作りました。

「ゆでる」・・・たくさんある調理方法の中でも、簡単で基本の作業です。

「全部の野菜切って、一緒にお湯の中にいれるだけやし、すぐできるやん!!」

この子どもの一言で、調理実習の第一歩を大切にしなければいけないと感じました。

「切ってゆでるだけで本当においしいゆで野菜の一品が出来るでしょうか。」

その問いかけからはじまりました。おいしく作るために食材の特徴をしっかり見たり、おいしい一品を作るために気持ちを込めるとはどのようなことかと考える大切な実習にしたいと考えました。

まずは、食材の観察からはじまりました。

真剣にキャベツを見つめ、それぞれの意見を出し合い、どうすればおいしいゆで野菜ができるのかを話し合っていました。単に「ゆでる」という簡単な調理方法ですが、おいしいゆで野菜を作るには、ゆでる順番・切り方など、工夫しなければいけないことがたくさんあることに気付いたようです。



いつもよく見ているつもりのキャベツですが、よく見て触ると発見がたくさんあります。

食材の大きさ・かたさを調べながら工夫すべき点を考えていました。

「普段どう切ってある???」・・・日頃、学校や家庭で食卓に出ているものも、大きな参考になります。

観察した上で、いよいよ調理実習の時間がやってきました。

 
 

フレンチドレッシングを作り、水(酢)と油の関係を知り、「乳化」についても学ぶことができました。目に見えて変化するドレッシングに驚きが隠せない様子です。

 

切ってゆでるだけの実習かもしれませんが、切る・ゆでるの作業のなかで、食材を大切にする気持ちや食べる人が食べやすいように工夫する気持ち必要だということが、子ども達の気付きとして育まれたら・・・と思います。実習後の振り返りを見ていると、単に「作る」「食べる」という楽しみから、「心を込めてつくる」「感謝して美味しくいただく」という気持ちへと少し変化したように感じました。

これからの調理実習でも、その単元ごとのめあてや調理技術の向上を大切にすることはもちろん、調理をする上で大切な目に見えない「心」を感じた初回の調理実習になったと思います。

このゆで野菜の実習以降、5年生は「ぼた餅づくり」「おいしいお茶の煎れ方」などの実習を行っています。実習など実物にふれる体験を多く取り入れ、温かみのある真の生活力の構築につなげていきたいと願っています。