子どもにやる気(意欲)を起こさせる上で大切なこととして、適切な目標の設定がありますが、もう一つ大切なものとして、自分自身に対する期待や自信があります。
 子どもが、さまざまな目標・課題に取り組むときに、自分にはこれだけのことができるであろうという期待や自信の気持ちが、やる気を生み出すのにどうしても必要なのです。自分の力に対する自信、よい意味での自尊心とも言えるもの、この気持ちこそが「やる気の原動力」なのです。
 頑張れば自分にもできるはずだと自分の力を信じているときには、何ごとにも意欲的に取り組むことができます。やる気を高めるためには、この気持ちがどうしても必要なのです。
 自分の力に自信がもてないときには、「どうせ自分はだめだ」とあきらめの気持ちが先立ってしまい、やる気が減退しがちになります。
 自分自身に対する期待や自信の気持ちを高めるための一番の特効薬は、何といっても、困難な課題を成し遂げたときに感じるあの達成感です。鉄棒で逆上がりが初めてできたときの感動、難しい算数の問題が自分でとけたときの言いしれぬ喜び。そうした成功経験の積み重ねが、自分自身に対する期待や自信の気持ちを育てることになるのです。
 適切な目標とこの気持ちとが共にあるとき、そこには希望の光が差し込んできて、やる気(意欲)が自然と湧いてくるのではないでしょうか。