今、ノートルダム学院小学校の宗教科では「互いに共感する対話力育成をめざして」と題して相手への尊敬と信頼感、共感的対話力を育てる授業を目指し、日々研究しています。
 宗教の時間では心静かにお祈りや黙想をします。神様と対話すること。それは、目には見えない大切なものと対話することです。つまり、黙想のうちに自分の心を見つめなおし、自分の未来や夢について、また、希望や愛について考えることです。

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お祈り
 子どもたちは学校の生活の中で、お祈りをすることを覚えます。「朝のお祈り」「食前のお祈り」「食後のお祈り」「帰りのお祈り」「主の祈り」「アヴェマリアの祈り」などノートルダムではたくさんのお祈りがありますが、お祈りとは、「目に見えない神さまと、お話すること」です。

 もちろん、最初は、どのようにお祈りしたらよいか、を学びます。

 先日の宗教の授業でこんな話をしました。

 お祈りする時、手を合わせます。その時、合わさる5本の指には意味があることを子どもたちに伝えました。

5本の指の祈り
<親指>
1.自分の身体から見て自分の胸に一番近い指は親指。先ずは、もっとも近くにいる人、お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんのために祈りましょう。一番に最初に心に浮かぶ、自分を最も大切にしてくれる人のために祈ること。それは「うれしいこと」なのだから。

 

<人差し指>
2.次の指、人差し指は何かを指さす時に使います。「示す」指。だから、「教える人」「指導する人」「癒す人」のために祈りましょう。学校の先生、風邪を引いた時癒してくれるお医者さん、習い事を教えてくれる先生たち。他の人や自分を正しい方向に導くために、彼らこそ、支えられたり、知恵を必要としている人びとだから。

 

<中指>
3.次の指は一番長い中指。世の中で長(リーダー)である人を心に留めましょう。班長、学級委員、キャプテン、校長先生、良き王様のために祈りましょう。リーダーと呼ばれる人たちはいつもみんなのことを考え、行動し、時には決断しています。リーダーはクラスや学校、そして国(を創り)、世を導いていく人たち。彼らこそ神の導きが必要だから。

 

 

<薬指>
4.4番目の指は薬指。意外なことだけど、実はもっともか弱い指です。だから弱い人、困っている人、痛みを感じている人を思い出して祈りましょう。その人びとは夜も昼もあなたの祈りを必要としている人びと。彼らのためにはどんなに祈っても、祈りすぎることがないのだから。

 

<小指>
5.最後は最も小さな指の小指。神様の偉大さに照らして、他者にとって、自分の存在がいかに小さいかを思い出し、自分のことをこの指にあてはめましょう。聖書にこう書いてあります。
「あなたがたのうちで最も小さいものが最も偉大なのである。」小指を見て、自分のために祈ることを思い出しましょう。他の4本の指によって、自分以外の人びとのことを心に留めて祈った後には、きっと自分のために何が必要であるかも見分けられ、神様にもっとよりよく祈ることができるようになっているはずだから。

 
 子どもはそのうちに、心の中にある自分の気持ちを、お祈りできるようになります。
 人は、神さまにお祈りする時、少しずつ心が素直になっていきます。ノートルダム学院小学校ではこの「祈り」の時を大切にしています。

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NDトピック

聖堂

カトリック校の本校にとって一番大切な場所、それは聖堂です。聖堂では子どもたちが祈りを通じて心静かに神様と対話します。
聖堂は本館の3階北東にあります。この聖堂は4階までの吹き抜けになっており、4階部分の窓からは朝日が差し込んで、聖堂を明るく包み込みます。また、正面の大きな十字架も、その上の明かりとりの窓から差し込む自然の光でやわらかく照らされています。
聖堂にあるステンドグラスは、本校の卒業生保護者の方が心をこめて作ってくださいました。「谷川の水を求めてあえぎさまよう鹿のように、神よ、私はあなたを慕う」という聖書のみことばを表したものです。

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宗教の時間に子どもたちが先生と一緒に祈り、神様に心を向けます。すべての子どもたちにとって心のよりどころになるような、そんな場所が聖堂です。

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