子どもたちは、衣食住や消費生活などの家庭生活環境と深くかかわることを学んでいます。地球上に暮らす皆がともに豊かに生きるために私たちは何をすることができるのかを考えながら家庭科の学習を進めています。今回は「衣」と「食」の分野における、4月から9月までの取り組みの一部をご紹介します。実習を通して、お裁縫学習への願いや興味を高めることや裁縫用具の扱い方に慣れ、物を作る喜びを味わうことが「衣」分野における前期の大きな狙いの一つです。「役立つ小物作り」の単元では個々の子どもたちの力に応じて発展的に取り組む課題を設けたことも喜びにつながっていた様子でした。

 また、子どもの成長に重要なバランスの良い食生活や生活リズムを整えるための具体的な手立てを考える機会を増やすために、例年よりも調理実習を数多く入れました。

 

(  前期の基本的な学習内容  )

・ 基礎練習布を使って、基本の縫い方をや玉結び・玉どめをマスターしよう

・ 3種類のボタンつけをマスターをしよう

・ 名前の縫い取りをしよう

・ 工夫してテイッシュケースをつくろう

・  「命綱」に刺繍をしよう(裏面の処理も美しく)

・ クッションぬいぐるみを作ろう

・ おいしくお茶を入れよう

・ 調理道具の扱いを知ろう

・ 基本調理で食事を作ろう

 

(  発展学習  )

・フェルトを使って小物作りに挑戦しよう

・衣服の手入れをしよう

・ランチョンマットにイニシャルをいれよう

・クッションぬいぐるみに洋服を着せよう

・古代食に挑戦!

・私たちにも出来る手作りのおもてなし

 

毎日の生活において、ほころびを繕ったりボタンを付け直したりする機会は珍しくありません。手縫い練習を通して技術を習得すると、シャツやコートのボタンがとれたら自分でつけなおす場面に出会えるのは嬉しいことです。針と糸を使ってできることを増やし、手縫いの良さに気付いてもらいたいと考えています。また、製作したものを自分の生活の中で活用し、改善点を考えたり、工夫したりすることにつなげていけるような指導を心がけました。それでは、子どもたちの様子をご覧ください。

(  腰ひもに刺繍をしよう )

・ノートルダムの伝統の一つになりつつある遠泳学習。長時間泳ぎ続ける厳しい体験ではあるものの、仲間に励まされ限界に挑戦します。その際、安全面を考慮して腰に命綱をします。家庭科では、この命綱に自分の名前やクラス、願いや、好みの模様を刺繍します。お裁縫を始めたばかりの子どもたちにとっては少々難度の高い取り組みですが、黙々と取り組み、表刺繍は勿論、裏面の処理までも素晴らしい出来栄えでした。

IMG_5740 IMG_5743

IMG_5742

  初めてお裁縫セットを手にした時の喜びを私は今でも覚えています。何十年の時を隔てた今でも子どもたちはお裁縫に興味津々です。女子ばかりではありません。むしろ男子の方が凝り性かも・・と思うこともしばしばです。 一針ずつ作品を縫いながらおもったことやきれいにできた所などを話し合う機会も大切にしています。

IMG_5744 IMG_5748

IMG_5749 IMG_5741

 心を込めて作った腰ひもを身につけて、5年生は全員そろって完泳することができました。

 

(  山の家での発展学習  )

発展学習の一つである古代人バーベキューと古代汁をいただいている様子をご紹介します。いつもの食事とは一味違う風味を味わいながら、古代の人に思いをはせたひと時でした。

IMG_5682 IMG_5823

 

 

(  フルーツの飾り切り  )

子どもたちの身近な食材を使って、調理の前後の変化を調べたり調理の長所を考えたりする学習を終えた後、食品をおいしくいただくために調理の手順や方法を学びます。これは、包丁の練習の発展としてフルーツの飾り切りをしている様子です。衛生的に調理を進めるために必要なことや環境に配慮した調理後の片付けの指導も大切にしています。

IMG_5751 IMG_5753

 

後期には、  「工夫して頼もしい自分になっていこう」の単元を中心に、8~10年後には自立した家庭生活をおくれる力がついていることを目指し、その土台作りとして具体的な経験と自分らしい工夫を重視します。実践報告ワークシートにおける体験の分かち合いも大切に、仲間から学ぶ機会もできるだけ計画していきます。また、 感謝の思いを手作りの作品で伝える機会を増やし、豊かな生活について考え、よりよい生活を計画する力を伸ばすように指導します。さらに、作品鑑賞の機会を増やしてアイディアの幅を広げ、感性をさらに豊かにしていきたいです。楽しく工夫して作品をつくる喜びや個性を表現する嬉しさを味わうことも今後の課題としても大切にしたいです。そして、今の私たちの生活だけでなく、将来の人々の生活も豊かであるためにどのようにしていくべきかという環境とのかかわり方も考えていく予定です。