学校長ご挨拶

 

ノートルダム学院小学校 校長
行田 隆一

 このたび、本校第7代の校長職を拝命いたしました。
 歴史と伝統を誇る本校の責任者として、その重責に身の引き締まる思いです。
 30年間の長きにわたり、本校のために粉骨砕身し、数々の実績を残した先代校長のシスターベアトリスの後を継ぎ、さらにこの学校を継続的に発展させるため、全力を傾注する所存です。
 本校は1954(昭和29)年に開校いたしました。以来、53回の卒業式を重ね、同窓生は8000人を数えます。また、59回目となる今年度の入学式は4月7日におこなわれ、募集定員と同数の144名が1年生としてラインアップしました。
 そのような長い歴史を刻んできた本校は再来年、創立60周年を迎えます。その一大記念事業として新校舎建築計画が、京都ノートルダム女子大学の建築計画との調和を図りながら、「北山キャンパス総合整備計画」の一環として進められています。
 小学校の建築計画についてお知らせします。
 昨年は、「祈りの森」(旧「緑と森の広場」・「小運動場」)の一部山の家移設及び更地化、同地跡発掘調査、そして新館特別教室棟の解体工事を経て、12月5日に起工式が滞りなく執り行われ1期工事が始まりました。この工事は本年11月末の竣工予定で、4階建ての新校舎のうち、東側の特別教室棟と南側校舎および南西の一部校舎が完成します。3学年の引越しのあと、2期工事に着手し、残りの北校舎と西側部分が来年11月末に出来上がる予定となっています。その後、外溝工事を終え、グランドオープンは創立60周年に当たる2014年夏となる見込みです。
 私は建築委員長としてこの計画にかかわる中で、同窓生の強い愛校心の数々に出会いました。
 1955(昭和30)年に建てられた既存の本館は、24の普通教室がその中にあるために、創立20周年記念として完成した新館とはまた違った、学び舎としての雰囲気を保ち続けてきました。しかし、新校舎建築に向け、この本館も早晩、解体されるのです。本館で6年間の学校生活を過ごした同窓生にとっては感無量の思いがあるでしょう。やがて必ず来る本館の解体、それは同窓生の惜別の大きな結集を呼んで「校舎お別れ会」の開催となり、昨年6月26日、多くの同窓生がなごりの一日を過ごしました。 
 また、「本館の一部を新校舎に残してほしい」という、同窓会1期生の方々の熱意にも感銘を受けました。還暦を過ぎた1期生の方々からうかがった、校舎のことから始まるいろいろな話の中には、並々ならぬ愛校心がほとばしっていました。そしてそれは、この3月に巣立っていった53期生まで脈々と続いている愛校心だと思いました。
 私は、新校長として、その愛校心を常に忘れないで任に当たるつもりです。本校の輝ける歴史と伝統は、同窓生の方々の母校に対する熱い想いがその根幹をなしているという現実を踏まえ、未来を見据えて行きたいと考えております。