国語部 鎌田裕子

 対話で高め合える子どもの育成

    ~よく読み、よくきき、自分の考えを深めて伝え合おう~

 本校は、2011年度より、ノートルダムミッションコミットメントの中の特に「対話する・・・心をこめて聴き、かかわりから学び、真理を探究する」に焦点を当て、研究をしており、「感じる心・考える力~豊かな対話の条件を探る~」を教育研究目標としています。

 本年度の取り組みとして、国語部では、
  「対話で高め合える子どもの育成
             ~よく読み、よくきき、自分の考えを深めて伝え合おう~」
をテーマに設定し、話す・聞くの指導を通して、伝え合う力を育てています。

 「対話のあるクラス」は、目指す学級像の具体的な姿の1つです。対話のあるクラスには、対話ができる人間関係、つまり一人一人が認め合える人間関係が成立しているということです。さらに対話を通して学び合える人間関係が成立しているということでもあります。対話力を育てるということは、学級を育てることであり、ひいては一人ひとりの思考力・判断力・表現力をはぐくむことにつながります。
 尋ねたり応答したりする対話力は、教科、領域を越え、あらゆる学習活動の場面で活用される言語活動です。国語科でその基礎を習得させ、他教科で活用させながら、より確かな、より高められた対話力を育てていくことは国語科の大切な使命であると考えています。

 私は今回の研究部の4つの視点の中の「 聴く 」という切り口で研究を深めています。 本当に聞いているとはどういうこと、どういう状態なのか。聞き手を育てるにはどうすればいいのかということについて考えています。今回の小研では、『よい聞き手になろう』という教材で授業研究をしました。その内容は、「お話タイム」を設定し、一人が話し、その話題にそって、聞き手が質問をしたり、感想を言ったりするというものです。「自分だけの発見」や「大わらいした出来事」というお題でグループになって一人ずつ話しました。 

今回は三人を一組にし、話し手、聞き手以外に「評価者」を設定しました。役割を明らかにするため、評価者はカラーコップを持っています。  

・三人を①お話しする人②よい聞き手をめざす人③二人のお話し合いを評価する人の役割にし、それを順に回し、3回の発表を行いました。

・お話し合いが終わったら、評価する人が「よかったことは...です。直した方がよいと思うところは...です」の話型でコメントします。

・「お話タイム」で学んだことをみんなの前で発表し合いました。各自が目にした「お話タイム」の中で、自分が一番学べた「お話タイム」の組を、理由を明確にして発表し合いました。

「よい聞き手」になるために大切なことを考えました。

・友だちに話す時、友だちの話を聞く時に、どんなことに気をつけているかについて話し合いました。やはり、うなずいたり、にこにこ笑顔で聞いてあげると話が弾むことに子ども達は気がつきました。

・「よい聞き手」には「よいお話」が必要であることを教科書のモデル文から見つけました。

・友だちのお話に質問をしたり、感想を話したりすると、お話や互いの理解が確かに豊かになることを発見しました。

・質問には「くわしく知りたいしつもん」「聞いたことと自分が知っていることをつなげたしつもん」があり、感想には「自分とくらべて、かんじたことや思ったこと」「前の人の言ったことをうける言い方」があることを見つけ、それを「わかる、くらべる、生かす、もっとわかる」というキーワードで分かりやすくまとめ、本単元での大切なポイントとして繰り返し使用することにしました。

 友だちと話すことが楽しい、そんな授業でした。どこのグループのどの子にも笑顔が光っていました。友だちと話すことが楽しいと実感できたなら、対話力の向上への第一歩が始まったといえるでしょう。教科、領域を越え、知りたい、わかりたい、探究したいという意欲が高まれば高まるほど、対話は、必要不可欠な言語手段として活用されていくでしょう。対話を楽しむ子ども達を育てていきたいと思います。