授業紹介 クローズアップ 5月号 算数科「同じって何?」
「同じって何?」
算数科 担当 |
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【「同じ」って知ってる?】
5年生の子ども達に,「同じって言葉知っている?」と聞くと,
元気な声で「そんなの知ってる。」と満面の笑みで答えます。
しかし,「じゃあ同じって何?」と聞くと,
「?・・・ 等しいこと?」
「では,等しいって...?」
子ども達にも課題が見えてきました。同じって一体何のことでしょう。
【算数でいう同じって何?】
ここで,子ども達の手元にある2つの三角定規を提示し,
「この2つは同じだと思う人?」と尋ねました。
すると,子ども達は,不思議と同じと思うグループと思わないグループに分かれます。
そして,すぐにつぶやき始めます。
「三角形は三角形だけど・・・。」
その言葉をもとに,「だけど何?」と聞くと。
「三角形という仲間としては同じだけど,形が違うと思います。」
「うんうん」と頷く子や,「ああ,確かに」とつぶやく子が見られます。
「どういうこと?」と尋ねると,
「この三角定規(自分の直角二等辺三角形を持って)と,その三角定規は,形も大きさも同じだけど,こっちは重ならないから大きさが違う。」
と,別の子が説明をしました。
そして,2つの三角定規は,「三角形の仲間としては同じだけど,形は違う」こと「きちんと重なるような,形も大きさも同じ形を合同ということ」を確認しました。以前に学習した,図形の弁別の授業を思い返したのでしょう。
【形は同じだけど大きさが違う形】
しばらくすると,「でも,違う同じもあると思う。」と言う子がいました。
「形が同じだけど,大きさが違うのもあると思います。」
そこで,次の段階として,事前に準備をしていた,次の教材を提示しました。
「わぁ~,同じ形だ~。」「本当だ大きさが違う」
この形が立体の世界の相似な形です。
「この相似な形の勉強は,6年生でします。」「5年生では,形も大きさも同じ合同な図形について勉強していきましょう」
と,これからの学習に興味をもたせ,授業を終えました。
子ども達が普段何気なく使っている言葉「同じ」ですが,子ども達と対話しながら,掘り下げると色々な状況で使っていることが分かります。
《ND ちょっと一言》 『 数学世界の別の「同じ」 』 数学(高等数学)の世界では,合同や相似の他に,同相という同じを表す考え方があります。子ども達にも,次のような話をしました。 「大学で勉強する数学の世界では,コップみたいな形とドーナッツみたいな形も,同じって考えることがあるんだよ。何が同じか分かる?」 ご興味がある方は,子ども達と調べてみて下さい。 ![]() ![]() |