学校長卒業式式辞 ―第58回 卒業式―
「第58回 卒業式」における学校長式辞を抜粋して掲載いたします。
第58回 卒業式 学校長式辞
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6年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。保護者の皆さま、お子さまのご卒業おめでとうございます。お子さまが、6年生の上級生に手を引かれてこの講堂に入って来たあの入学式から早、6年の歳月が流れました。在籍中には、何かと学校の方針にご理解とご支援を賜りましたこと感謝申し上げます。また、司教様をはじめ、ご来賓の皆さま、今日はこの学校を巣立っていく子どもたちのために、前途を祝し、感謝の祈りの式に与ってくださいますことを、心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。
さて、卒業生の皆さん、皆さんは6年間、このノートルダム学院小学校で学んできました。様々な行事を通して豊かな体験をしました。山の家学習、スポーツフェスティバル、スキー学習、礼法の時間などがそうですね。すべてがすぐに役立つというわけではありません。しかし、経験をしているからこそ、主体的に考えて行動することができるのです。教室の中で教科書に出てくる事柄を覚え、理解したとしても、経験が伴っていないと、すぐに実行に移すことはできません。それだけ経験は大切です。この6年間の多くの経験は、みなさんが、将来自分の道を決めるときにも、迷ったときに決断するときにも、必ず、役に立ちます。
皆さんは、インドのマザー・テレサを知っていますよね。インドのカルカッタで活躍したカトリックの聖人です。昨年9月4日に今の教皇フランシスコの式によって聖人になったシスターです。マザー・テレサは、貧しい人々のために活動し、「神の愛の宣教者会」という修道会を設立しました。この修道会の目的は、「飢えた人、裸の人、家のない人、体の不自由な人、病気の人、必要とされることのないすべての人、愛されていない人、誰からも世話されない人のために働く」ことでした。「死を待つ人々の家」というホスピスを開設したのは有名な話です。
私たちは、マザー・テレサの「私をお使いください」という歌をよく歌いました。覚えていますか?
このような歌詞でした
「貧しい人や病んでいる人々を助けるためにわたしの手をお望みでしたら、今日わたしのこの手をお使いください。」
「友を求める小さな人々を訪れるためにわたしの足をお望みでしたら、今日わたしのこの足をお使いください。」
「優しい言葉に飢えている人々と語り合うためにわたしの声をお望みでしたら、今日わたしのこの声をお使いください。」
「人というだけでどんな人々も愛するためにわたしの心をお望みでしたら、今日わたしのこの心をお使いください。」
「手・足・声・心」をお望みなら、どうぞ使ってください。言ってみれば、相手が何かを必要と思っているなら、全身全霊でそれにこたえ奉仕しなさい、というものです。
マザー・テレサは、どんな時でも目の前の苦しんでいる人や困っている人、誰からもかまってもらえない人にも目を向けて、できるだけのことをその人たちのために行いました。このマザー・テレサの実行は、世界中の人に認められ、1979年には、ノーベル平和賞を受賞しました。マザー・テレサの行動は、最高の愛の奉仕、愛の実践です。これがキリスト教の「愛」に当たります。
各教室には、「よく祈り、よく学び、持っている力をよく伸ばし、それを使って人に奉仕しよう」という言葉があります。皆さんが6年間で学んだことをマザー・テレサのように惜しみなく使っていけるような人間であってほしいと思います。それが、キリスト教の「愛」につながっていきます。
ここでの学校生活は、毎週のように宗教の授業があり、お祈りの中で生活をするのが当然でした。しかし、この卒業式を境にまったく、キリスト教と関係のない学校生活に入る人もいるでしょう。でも、ノートルダム学院小学校で経験したことを、いろいろな場面で生かしてください。生かされると願っています。
神様が、あなたの前途を祝福してくださいますように、これから司教様とともに祈りましょう。神様の祝福がありますように。6年生の皆さん、ご卒業おめでとう。
(2017年3月15日)
登録日:2017年3月16日/更新日:2017年3月16日