1月29日(金) 厚沢部にて
厚沢部にて
厚沢部(あっさぶ)町は、北海道函館市の北西57キロに位置し、美しい自然環境に恵まれた、人口約4600人の農村です。メークインの発祥地として知られています。昨秋、その厚沢部町から依頼があり、私は「町教育推進アドバイザー」として町の学校の先生方に教育指導をさせていただくことになりました。これは国土交通省の「広域支援プロジェクト」のひとつで、教育活動を軸に過疎の町の活性化を目的としてスタートしたものです。私のかかわる内容は、英語指導と学習教材の作成方法、そしてDSとeラーニング(インターネットを使った学習)の活用です。
1月16日(土)、私は初めて厚沢部へ行き、午前中は檜山地方(北海道は「檜山」「石狩」「十勝」などの「支庁」名で区分されています)の中学校の英語の先生方に、本校でも活用している「デジタルコンテンツ」を使ったモデルレッスンをしました。
午後は、そのデジタルコンテンツの作り方を小学校の先生方に紹介し、夜は、町の保護者の方々に講演をさせていただきました。
実は、私は北海道の生まれ育ちなので、北海道弁をときどき交えながら、町の人たちと1時間半を過ごしました。講演が終わると、一人の女性が話しかけてきて、「あのう、先生の学校って、お茶会をしてませんか」と尋ねるので、「はいはい、NHKの『ようこそ先輩』-昨年7月5日放映の分-をご覧になったんですね」と言うと、そうではなく、1年生の大茶会だとおっしゃるのです。
「あ、そういえば、1年の大茶会って、前、テレビに出てたなあ。ちゃんと見てくれてるんだ」と思いつつ、「はい、これがうちの『売り』のひとつなんですよ。国際性を育てるためには、英語だけじゃなく、日本の伝統文化も体験させ、できれば身につけさせたいですからね」と答えました。同時に、「テレビの宣伝効果ってすごいな」と感じました。
朝から晩まで、長い一日でしたが、参加者の反応が高かったので充実した時間を過ごしました。厚沢部は、確かに過疎の町ですが、小学校の児童の人数分のDSを町の予算でまかなえるほどに、北海道の過疎の町としては豊かなところと言えるでしょう。
しかし、問題は教育です。町に塾はなく、もし通う場合は、親が函館まで片道1時間かけて車で送っているのだそうです。
京都へ帰る日曜の朝、外の気温はマイナス21度でした。肌を刺す冷気の中で、私はこの町の教育を、本校でおこなってきている「先端的な学習機器を活用した授業と実践」を通して支援したいと熱く思いました。

教頭 行田 隆一




