登録日：2017年12月22日／更新日：2017年12月22日

今年の秋は風の強い日が多くあり、一階の廊下やロッカールームには、外の落葉が遠慮なく舞い込んで、いちいち拾うのも大変でした。結局、清掃をしてくださっている方の世話になるしかありませんでした。それでも、一日に何回掃除してくださっても懲りずに、枯葉が舞い込んでくるのです。

私は、はじめの頃は数枚ずつくらい拾ってはポケットに入れていましたが、追っつきません。
しかもポケットに入れていたのを真似して同じようにポケットに入れてくれていた１年生の子どもに気づき、ちょっと考え込んでしまったのです。

"そうだ、子どもって真似をしてくれるものなんだ"

私は小さな三角ちり取りを左手に持ち、右手で短いほうきを持って、腰をかがめて廊下の落葉を掃き集め始めたのです。そこへ通りがかったひとりの男の子が、私の方へ来て小さな声で
　「ぼく・・します・・」　
と私の手からほうきとちり取りを取って、掃き出すではありませんか。見ると私よりもはるかに背も高く、からだの大きな６年生のあの子ではありませんか。私が感激して涙が出そうになっているところへ、給食室帰りの６年生の男子の集団がどやどやっと来ました。ぼくもぼくも、と、何人かでほうきとちりとりの取り合いになり、仲良く協力してくれることになったのです。

これはしめたものだと、翌日も同じように三角ちりとりをもって、廊下を掃いていますと、それを見た５年生の男の子がさっと来て、わたしの手から掃除道具をとって、黙って掃き出してくれたのです。

ノートルダムにはこんな子どもが育っているのだと嬉しく思ったひとときでした。

 

シスターベアトリス田中範子

登録日：2017年12月22日／更新日：2017年12月22日