9月6日(水) 「出会うこと」と「気づくこと」
登録日:2017年9月 6日/更新日:2017年9月 6日
人は、その一生でたくさんの人や物との出会いがあります。拙作の合唱曲「生きるということ」の話で恐縮ですが、その曲の歌詞のなかに、人が生きるということは出会いなのだと書きました。生きるということは、たくさんの命と出会うこと、たくさんの涙と出会い、またたくさんの星と出会うこと。しかし、たくさんの愛と出会うとは敢えて書かずに「たくさんの愛に気づくこと」と書きました。私たちは、自分にとってせっかくの良い出会いがあっても、その出会いに気づかずに過ごしてしまうことが多くあるかも知れません。それが色も形もなく目にも見えないものであれば、尚更でしょう。そして、その目に見えないものが私たちを包み込んでしまうほどに大きくなればなるほど、私たちにとっては気づきにくいものです。しかし、気づくことによって初めてその出会いが自分にとっての本当の出会いとなり、自分を変え、成長させてくれる大きな力にもなります。神さまの愛とは、まさにそのようなものかも知れません。
9月某日の夕刻、校舎の窓からふと天空を見上げると空一面にたくさんの羊の群れが、ゼフィルスに追われるように西から東へゆっくりと移動していました。誰も成し得ない見事な構図と色彩、そして絶妙な光のバランスにしばし見とれていたら、この羊の群れに気がついて小運動場で写真を撮っていた母娘がいました。無理を言ってカメラをお借りし、おかげさまで私の魂の記憶としてこの美しい瞬間を一枚の写真に収めることができました。
忙しい日々の中でふと空を見上げることの余裕すら失ってしまいがちで、この日も、天空の贈り物に危うく気づかずに一日が終わってしまうところでしたが、ふと見上げた空に広がる羊の群れは、疲れていた心と体を癒し、羊たちとの語らいの時をもたらしました・・・「羊が一匹、ひつじがにひき、ヒツジガサンビキ・・・・・・」
1年生副担任:音楽科 寺下 徹
登録日:2017年9月 6日/更新日:2017年9月 6日