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学校長メッセージ

学校長卒業式式辞 ―第54回 卒業式―

「第54回 卒業式」における学校長式辞を掲載いたします。

第54回 卒業式 学校長式辞

 ご来賓の皆様、本日はご多忙の中、卒業生の門出の祝いにご臨席たまわり、心から御礼を申し上げます。
 保護者の皆様、お子様のご卒業、まことにおめでとうございます。

 6年生のみなさん、あらためて、卒業おめでとう。
 同時に、私は皆さんに、「ありがとう」と言いたいです。

 去年の4月6日、今年度の始業式で、私は、皆さんをはじめとする全校児童に、いくつかお願いをしました。最高学年になった皆さんには、特に意識して話していたのですよ。
「今年、君たちをお世話してくれる先生を信頼してついていきなさい。先生は、君たちに必ず、NDの伝統である『秩序と規律』を、さらにしっかり身に付けさせてくれますよ」と。
 同時に、「目指す児童」という目標、そして、それぞれの学年目標をがんばって実行するように、と伝えました。
 「目指す児童」に、3つ掲げてある理想の児童の姿の一番目は、「神を敬い、自分も人も大切にする子ども」です。そして、6年生の学年目標は「最高学年として自覚し、責任を持って行動しよう」でした。

 始業式から今日の卒業式までのこの1年間、皆さんが示したふるまいを思い出してみると、秩序を保ち、規律を守り、神様からお力をいただくためによく祈り、自己を肯定して自分に自信を持ちながら、ほかの人のことをよく思いやり、その気持ちを行動に移し、最高学年としての自覚と責任を果たしました。皆さんは、6年間の仕上げの1年で、大きな目標を見事、実行したと断言します。

 そして、特に最高学年として下級生に模範的な言動を示し、リーダーシップを十分に発揮してくれた点について、私は皆さんに言いたいのです。
「ありがとう」と。

 始業式の翌日は、入学式でした。
 その日から、1年生とのパートナーシップが始まりました。皆さんに手を引かれてこのNDホールに入場した弟・妹たちの手は小さかったでしょう。でも1年生は、6年生の大きな手と、そのぬくもりを、これから先もずっと忘れないと思います。

 6年という学年は、受験勉強の厳しさのまっただ中にあります。進学希望を果たすため、自分のことだけを大切にして、毎日、エネルギーをそれに使っても、普通は、なにも叱られないはずです。
 でも、この学校は、「自分も人も大切にする」ことを皆さんに求めました。そして、皆さんは、先週の土曜日に行われた「6年生を送る会」で、パートナーたちから、あれだけ強く別れを惜しむ涙を絞るほどに、弟・妹のお世話をしてあげたのです。
 この経験を忘れないでください。みなさんは、将来、必ず自分の志を果たし、社会から望まれる人になるのです。そうなったら、毎年、毎月、毎日が、この1年間と同じように、緊張や忙しさに追われることでしょう。大人になったその時に、6年生でのこの経験を原点として、自分と同じくらい人を大切にするという気持ちを、すぐ行動へと移せる人間になっていてください。

 2月末、皆さんは「感謝の集い」を成功させました。6年間、この学校へ通わせてくださったご両親、もとより、皆さんに命を与え、大切に大切に育て上げて下さったご両親に対して、とても素直に、そしてとても深く、感謝を伝えました。練習の時から、皆さんの様子を見守っていましたが、準備の段階で、感謝という二文字が強く感じとれました。
 皆さんの感謝の気持ちは、ご家族だけにではなく、この学校の教職員にも強く向けられていることが、卒業前の皆さんの態度に表れていました。そして、「6年生を送る会」で先生たちに贈った感謝のことばは、心の底からあふれ出たものだと感じました。特に、「この学校へ来て良かった」という言葉は、先生たちの胸を打つものがありました。
 なぜなら、その感謝の気持ちもまた、この学校が創立以来、とても大切にし、子どもたちの中に育まなくてはならないとされているものなのです。ですから、皆さんがそれをしっかり身に付けて成長してくれたことがうれしかったのです。

 皆さんがこの学校で学んだことはまだあります。
 「がまん」です。
 その真骨頂と言えるのが5年生の遠泳合宿です。その時の自分の気持ちを思い出してみてください。
 1ケ月半にわたる練習。ひたすらプールで泳いでいましたね。水の中では同じ隊列の仲間と声を掛け合い、目で合図して励まし合いました。きれいな隊列をつくって泳ぐには、自分に対してのがまんが求められたし、思うように泳げなかった人にとってのがまんは、その何倍ものものだったのではないでしょうか。しかし、仲間の力も借りながら、自分を叱咤激励し、がまんを積み重ねて迎えた本番では、見事、泳ぎ通して、我慢の花を自分の中に咲かせました。
 自分に打ち勝って得た、達成感、充実感、自信、そして仲間との強いきずなは、皆さんが生きていく上での、得難い糧となったはずです。

 国際性の土台もまた、学びのひとつだと信じます。
 この1年間、私は英語を教えさせてもらいました。楽しく学べたと思ってもらえたらうれしいです。
 でも、英語を身に付けらたら国際人の切符を手にしたと思ってはいけません。卒業茶会で、皆さんに話したことを覚えていますか。
 「今日は思い切り、日本人してくださいね。」と言いましたね。
 それは、国際人になるための大切な条件として、自分の国の歴史とか、文化とかについて、ちゃんと知識を持ち、それを理解し、そしてそれを、誇りを持って、外国の方々に紹介できるということが必要だからなのです。
 日本の文化についても、この学校の体験、たとえば、礼法、茶道、生け花、食文化、稲作活動、能・狂言などの体験は、皆さんが国際人として身を立てる上で、大きな原動力となるでしょう。礼儀、おもてなしの心と合わせ、この、日本人としてのアイデンティティ、つまり、この国に生まれ育ったことへの感謝と自覚、そしてそれに対する誇りを大切にして、この先、真の国際人になるべく、自分に磨きをかけ続けていってください。

 これまで触れませんでしたが、勉強はもちろん大切です。中学校高校大学と進んでいく中で、勉強の大切さは外して語れません。そして、この学校でも、勉強の力はしっかり養われたと思います。
 でも勉強の力の大切さもそうですが、勉強以外にも、これまで話してきた、いくつもの立派な力を、実際、目に見える形で身に付けている166人の卒業生を、私はとても晴れがましく思います。大きな誇りも感じます。

 去年の12月、いよいよ中学受験を迎えるというとき、新本館の聖堂で、「祈りと祝福の集い」がおこなわれ、神父様から受験に向けての特別な祝福をいただきました。
 そして、私は皆さんに、2つの言葉をエールとして贈りました。
 元北海道知事の町村金五氏が言った、「青年よ、試練の壁に耐えて立て」と「乗り越えられない試練を、神様はお与えにならない」というキリスト教の世界の言葉でした。そして、皆さんは、その試練に耐え続け、みごとそれを乗り越えたのです。

 卒業生のみなさん、あなたがたは、今、巣を離れるに十分な、いろいろな力を持った立派な若鳥となりました。
 自分に大きな自信をもって、ノートルダム学院小学校というこの巣を、飛び立って行きなさい。神様のご加護が、この先、いつも皆さんの上にありますように。この学校の教職員も、いつも、そしてずっと、皆さんのことを想っています。
 皆さん、未来の扉を、しっかり、強く、たたくのですよ。

(2013年3月15日)

登録日:2013年4月19日/更新日:2013年4月19日

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