学校長メッセージ <2016年度後期>
学校長メッセージ <2016年度後期>
一人ひとりを大切にするカトリック教育 |
ノートルダム学院小学校 校長 |
ノートルダム学院小学校は、62年前の1954年に創立されました。その間、多くの先生方が子ども達と関わり、ノートルダム教育を行ってきました。卒業生も8000人を超えました。たくさんの人達がこの学び舎で過ごし、いくつもの思い出を残しています。
本校の建学の精神は、創立者マザーテレジア・ゲルハルディンガーが示されたもので今に至るまで受けつがれています。それは、「イエス・キリストの福音に基づいて自分も人も神に創造され、愛されていること、また地域社会の発展に貢献できる人間の育成をはかること」というものです。これは、キリスト教に基づく教育が根本になっています。つまり、イエス・キリストの生き方そのものがわたし達の教育につながっているのです。
では、イエス・キリストの生き方とは、何でしょうか?イエスが遣わされた時代は、律法を守ることができるか、できないかによって、神への救いの道が決まるとされてきました。また、病気の人や徴税人など、世間から嫌われ、避けられていた人には救いの道は閉ざされていると考えられていたのです。ですから、病気の人などは、人里離れた所に住み、決して一般の人と接することが赦されていませんでした。世間から見捨てられていたのです。しかし、イエスは、積極的にその人達と一緒に生活し、また病気を治すことも行っていました。神への道は、掟を守るか守らないかではなく、また病気か病気ではないかではなく、イエスを神としてを信じることが大事でした。イエスは、誰一人排除することなく、一人ひとりを大切にし、その人達と関わって生活をされていたのです。
ルカによる福音書に『見失った羊』のたとえ話があります。
「あなたがたの中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけるまで探し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んで下さい』と言うであろう。」
このたとえ話にもあるように、神は、一匹の羊でさえも見捨てることなく見つかるまで探し出します。
教師自身も学校生活の中で、そして子ども達と接する中で、誰一人排除することなく、仲間と一緒に成長していくことができるように指導しています。一人ひとりを大切にしていく教育を目指しているのです。
2016年度前期「父母の会会報」170号掲載
(2016年9月30日発行)
登録日:2016年10月 3日/更新日:2016年10月 3日