登録日：2017年1月20日／更新日：2017年1月20日

　遠藤周作の小説「沈黙」を読んだことがおありですか？17世紀の日本の史実・歴史文書に基づいて創作された歴史小説で、1966年に書き下ろされた作品ですので、お読み下さるのも良いかと思います。
　江戸時代のキリシタン弾圧の時に日本に宣教にきたポルトガル人司祭の葛藤を中心に描かれた作品です。長崎の隠れキリシタンの人々のことも描かれています。キリスト教弾圧にまつわる日本史の一場面をもとに、神の存在や西洋と日本の思想的な違いを追求した作品でもあります。日本人にとって果たしてキリスト教は、意味があるのかという命題を突きつけられた司祭(主人公)が、自分の信仰を守るのか、自らの棄教という犠牲によって、イエスの教えに従い苦しむ人々を救うべきなのかを考え、自分の信仰を捨てて、ついに踏絵を踏む決心をします。踏絵を踏むことで初めて自分の信じる神の教えの意味を理解するのです。
　この遠藤周作原作の「沈黙」が、ハリウッド映画となって2017年1月21日(土)に全国公開されます。監督は、マーティン・スコセッシ。窪塚洋介をはじめ、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシといった日本人キャストが出演します。実は、1971年に篠田正浩監督作品で一度映画化されています。
　この機会に、興味のある方は、ぜひ映画館に観に行かれてはいかがでしょうか？

登録日：2017年1月20日／更新日：2017年1月20日